もらい事故への対応について

2020-06-08

もらい事故だと保険会社が交渉できない?

 相談をお受けしていると,「自分の保険会社から『過失割合が0対100なので,交渉をすることができない』と言われた」という話をよく聞きます。

 たしかに,被害者に落ち度のない,いわゆるもらい事故の場合,自分の保険会社は交渉を行うことはできません。

 なぜなら,示談交渉などを弁護士以外の者が行うことが弁護士法72条という法律で基本的に禁止されていて,違反すると犯罪になるためです。

示談代行サービスとは

 それでは,自動車保険のテレビCMなどで示談代行サービスをうたっていて,実際に示談代行サービスが行われているのは何故でしょうか?

 これは,被害者に少しでも落ち度があれば,保険会社は,その程度に応じて対人又は対物保険の支払いをする必要が出てきますので,自分たちが支払う保険金に関することとして,示談代行を行うことができるためです。

 これに対し,もらい事故の場合,そこで行われる交渉は,全て被害者から加害者に対する支払に関するものであって,自分の保険会社は対人・対物保険の保険金を支払う必要がありませんので,交渉を行うことはできないのです。

示談代行サービスが使えない場合の対応方法

 示談代行サービスが使えない場合でも,慰謝料など怪我に関する補償の問題や,車の時価額の問題など,交渉をしなければ適切に賠償が受けられない場面は多々あります。

 このような場合,弁護士に依頼することで,適切に交渉を行っていくことが可能になります。

 弁護士に依頼する場合,弁護士費用が発生することになりますが,交通事故の場合,弁護士費用を差し引いても示談交渉を依頼した方が良いという場合も多いです。

 しかし,それでも支払いが生じる以上,やはり費用は気になるとことだと思います。

 こうした場面で弁護士に依頼してしっかりと示談交渉を行いつつ,弁護士に支払う費用に備える保険が,弁護士費用特約です(CMでもこの保険のことをアピールするものもあります。)。

 弁護士費用特約そのものにかかる保険料は通常は低額で,使用しても等級は下がりませんので,交通事故の被害に遭ったときに備える保険として非常に有効です。

 弁護士費用特約のご加入がある方は,ご相談だけでも利用できますので是非積極的にご活用ください。

 また,ご加入がない方でも,示談交渉を依頼するメリットがあることが多いので,お気軽にお問い合わせください。