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交通事故の入通院慰謝料とは

2026-05-15

 交通事故の入通院慰謝料とは、交通事故で怪我をして入院や通院をしたときに、その入院や通院の期間、怪我の内容に応じて支払われる慰謝料のことをいいます。

 慰謝料とは、諸説ありますが、精神的・身体的な苦痛に対する賠償金のことを指します。

 つまり、入通院慰謝料とは、怪我の痛みや入院や通院によって生じた日常生活に生じた支障などの苦痛を金銭的に評価したものということです。

保険会社との間で生じる問題

 交通事故で入院や通院を必要とするような怪我を負った場合、最終の通院を終えた段階で、保険会社から最終の支払いに向けて、示談金額が提示されます。

 この中に、入通院慰謝料慰謝料が含まれています。

 この流れには問題はないのですが、問題はその金額です。

 精神的な苦痛と言われても、その金額がどのくらいなのかを感覚的に分かるという人はまずいないでしょう。

 そのような中で、保険会社が金額を計算してくるのですが、この金額が適正とは言い難いのです。

 金額がおかしいのであれば、保険会社の担当者との間で金額の交渉をして金額の修正をもとめなければなりません。

 これが、交通事故の入通院慰謝料をめぐって保険会社との間で生じる問題です。

なぜ入通院慰謝料をめぐって問題が生じるのか

 上で述べたように、入通院慰謝料は、その金額がどのくらいなのかを感覚的に分かるようなものではないので、目安が必要となります。

 この目安が、任意保険会社が設定している「任意保険基準」と呼ばれるものと、過去に裁判で争われてきた膨大なデータを元に設けられた「裁判基準」との間にかなりの開きがあります。

 そのため、保険会社が計算してきた額が、法律的に見て適正といえる金額と比べて低いという問題が生じるのです。

どうやって適正な入通院慰謝料の額で示談するか

 裁判基準の入通院慰謝料は、大雑把に言うと、入院と通院の長さによって決まっています。

 例えば、典型的な怪我であるむち打ち症で6か月間の通院をした場合、89万円が通院慰謝料の目安となります。

 この目安は、一般の方でもインターネットで調べれば分かるかもしれません。

 しかし、この数値を保険会社に示したからといって、保険会社がこの金額で示談に応じるわけではありません。(その理由はこちら→「保険会社が出す慰謝料の額はなぜ低いのか」)

 特に、一般の方が交渉をする場合に気を付けていただきたいのは、少し交渉をするくらいであれば良いのですが、語気を強めたり、威迫するような言動をとってしまうと、保険会社側が弁護士を立ててくることがあり、そうなると、相当厳しい対応となる可能性が高くなります。

 適正額での示談を希望されるのであれば、弁護士に依頼されることをおすすめします。特に、弁護士特約にご加入の方であれば、弁護士費用の負担を気にする必要もありませんので、早期にご依頼いただいた方が良いかと思います。

保険会社が出す慰謝料の額はなぜ低いのか

2026-05-08

慰謝料の保険会社の算定基準

 保険会社が計算してくる慰謝料の金額は、「保険会社基準」などと言われることもありますが、一般的に裁判をした場合に裁判所で認められる金額よりも低くなっていることが多いとされています。

 保険会社は、会社である以上利益を最大化させなければならず、支払額を小さくできるのであれば、できるだけ小さくしようとするのは当然のことです。

 しかし、例えば怪我をして通院したような場合の治療費については、一般的に想定されている範囲を超えない限り、保険会社が治療費を値切ってきたりすることはほとんどありません。

 では、なぜ慰謝料については、相場といえる金額があるのに低く見積もってくるのでしょうか?それには理由があります。

裁判基準は目安に過ぎない

 結論を端的に言うと、弁護士が保険会社との交渉で用いる金額(裁判基準とか弁護士基準とか言われるもの)は、実際に裁判で認められる金額というわけではないからです。

 実際に裁判をした場合には、下がることも少なくありませんし、(稀ですが)上がることもあります。

 「裁判基準」は、文字通り慰謝料の額を決めるための基準であり、これに従わないといけないのではないか?と思われるかもしれません。

 しかし、実際にはそんなに甘いものではないのです。

裁判で慰謝料の額が基準を下回ることがあるのはなぜか

 「一般的に想定されている範囲を超えない限り、保険会社が治療費を値切ってきたりすることはほとんどない」と述べました。

 これは、あくまでも、裁判をせずに一応円満に話し合いで解決しようとしている場合の話です。

 いざ裁判をすると、保険会社はほぼ確実に弁護士をつけてきて、これまで争いになっていなかった部分も含めて徹底的に闘ってきます(多少弁護士によって熱量に違いがあります)。

 典型的なのは、通院先からカルテ等を取り寄せて、入通院の必要性を争ってくるというものです。

 カルテの記載をみると、怪我の内容にもよりますが、被害者側にとって不利になるようなことが書かれていることが少なくありません。

 保険会社側の弁護士は比較的優秀な者が多いため、そのような記載を見逃さず、「入通院が必要以上に長過ぎる」といった主張を展開してきます。

 慰謝料の額は入通院の長さによって決まる傾向にありますので、入通院が短縮されれば、その分慰謝料の額も低くなります。

 それに対して、こちら側からは、治療経過や同種の怪我の一般的な治療期間などについて根拠を示した上で主張し、入通院が必要であったことを証明しなければなりません。

 その結果、こちらの言い分を裁判所が認めれば、請求額どおりの慰謝料が認められますし、保険会社側の言い分を一部でも裁判所が認めれば、治療費が減額となるほか、慰謝料の額も減額となります。

 これが、裁判で慰謝料の額が基準を下回ることがある理由です。

保険会社も基準を下回ることは想定している

 このように、「裁判基準」といっても、実際にはそれほど強固な基準ではなく、個々の事情によって増えたり減ったりするものなので(実際に問題になるのは減額の有無であることが大半)、保険会社としては、裁判基準どおりには支払わないということなのです。

 しかも、被害者本人とのやり取りの中では、裁判基準から大幅に減額した額を提示してくることが少なくありません。

どうやって裁判基準での支払いを受けるか

 保険会社が裁判基準を下回る金額を示してきたとしても、それ自体がおかしいわけではありません。

 しかし、その差額の大きなものとなれば、被害者としては許容できるものではないでしょう。

 そこで、保険会社との間で交渉を行い、可能な限り裁判基準に近い金額で示談できるようにする必要があります。

弁護士による交渉で何が変わるか

 弁護士による交渉と被害者本人による交渉での違いは、知識や闘う手段(裁判等)の有無は当然ですが、大事なポイントして、ご自身の請求がどれだけ適正なものなのかを把握されているかどうか、ということがあります。

 自分の通院が不当なものであると認識しつつ通院している人はほとんどいません。

 しかし、客観的に怪我の内容は回復状況から見ると、妥当な範囲を超えてしまっているということは少なくありません。この点は、法律上の考え方と、医師や被害者本人の感覚との間でズレがあるところですので分かりにくいと思います。

 こうしたズレに気付かないままで交渉をしようとしても、かえって保険会社の態度を硬化させてしまい、適正な示談からは遠ざかってしまいます。

 交通事故を専門的に取り扱っている弁護士であれば、法律上はどの程度まで支払いが認められ、保険会社がどの程度のラインであれば示談可能なのかをある程度把握しています。

 それらの知識を駆使して、保険会社との間で適正額での示談を成立させているのです。

まとめ

 このように、保険会社が計算する慰謝料の額が低いのには理由がありますが、出された額を増額させるための交渉を弁護士が行うことは可能です。

 適正な額での示談をお望みであれば、一度弁護士にご相談いただくことをおすすめします。