人身傷害保険金の増額交渉

 当事務所では,人身傷害保険で後遺障害等級の認定を受けた方であれば,被害者か加害者かを問わず,人身傷害保険金の請求について保険会社との交渉のご依頼を承っております。

 ここでは,どのような交渉が可能かについて解説します。

人身傷害保険会社からのご案内

 人身傷害保険を利用する場合,最終の支払いの前に協定書が届くことが一般的です。

 この協定書の内容を確認して,問題がなければ,署名・押印をして保険会社に送り返し,最終の人身傷害保険金の支払いを受けることになります。

 この人身傷害保険金について,保険会社から送られてくる計算の案内を見ると,加害者の対人賠償保険の保険会社から送られてくるものとよく似ていることが分かります。

 まずは,この計算書を見て,計算方法に誤りがないかをチェックします。

人身傷害保険と対人賠償(任意保険)との違い

 対人賠償と人身傷害保険の大きな違いは,対人賠償は加害者が法律的に負う責任について,加害者に代わって支払いをするというものであるのに対し,人身傷害保険は,保険の契約にしたがって,保険金を支払うものであるというところにあります。

 例えば、「後遺障害等級の12級が認定されたら慰謝料として100万円を支払います。」という契約内容になっていれば、保険会社が支払うべき医者慮の額は100万円であって、これに対して「100万円は裁判基準と比べて低過ぎる。」などと言っても、契約どおり支払っていれば何の問題もありませんし、交渉の余地はありません。

 これに対し、対人賠償の額は,あくまでも法律によって決まるもので,金額の相場は,過去の裁判のデータなどによって決まることになります。

 対人賠償の場合の慰謝料の額は、相場があると言っても、個々の事例によって相場より低くなったり高くなったりすることがあり得ますので、最終的な金額は当事者同士で合意するか、裁判所に決めてもらうことになります。

 対人賠償の場合、このような性質があるため、保険会社と交渉をどのように行うかによって、最終的に支払われる慰謝料の額が変わってきます。。

 慰謝料の額については,対人賠償の場面では,よく自賠責基準,任意保険基準,裁判基準などと言われることがあるのですが,人身傷害保険の場合,慰謝料の計算方法が明記されているため、そのような議論は当てはまらないのです。

交渉できるポイント

 これに対して,争う余地があるのは,後遺障害の逸失利益の部分です。

 後遺障害逸失利益は,「基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間-中間利息」の計算を行うことは,対人賠償と変わりはありません。

 そして,基礎収入については,人身傷害保険独特の算定方法はありますが,労働能力喪失率と労働能力喪失期間については,「将来の収入の蓋然性等を勘案する」「判例動向等による」などとされています。

 この点は,先ほど見た対人賠償の場合と同じです。

 ということは,対人賠償の場合と同様,この労働能力喪失率と労働能力喪失期間について,保険会社は低く見積もってくる可能性があるということになります。

 約款上は,後遺障害逸失利益は,裁判の相場にしたがって支払われていなければならないので,そうなっていなければ,この点を争うことができるわけです。

 例えば,むち打ちで後遺障害等級14級9号に相当すると判断された場合,裁判上の労働能力喪失期間の相場は5年程度ですが,保険会社の算定では3年とされていることが多くあります。この場合,年収の約9%分金額が低く見積もられていることになります(年収1000万円の方だと約90万円)。もちろん,後遺障害等級がより重くなれば,この差額がより大きくなりえます。

 保険金の中でも,この逸失利益はかなりの割合を占めている部分ですので,しっかりと金額の確認・交渉を行っていくべきです。

 人身傷害保険金の支払いを受ける場合で,後遺障害等級が認定された場合には,ぜひ一度当事務所にご相談ください。その金額が本当に妥当なのか,無料で診断させていただきます。

※その他にも,休業損害なども場合によっては争う余地がありますが,当事務所の受付としては,現在のところ,後遺障害等級が認定された場合に限らせていただきます。

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