死亡事故の慰謝料と損害賠償請求

交通事故で被害者が亡くなられた場合に行う損害賠償請求の中に,慰謝料があります。

慰謝料とは,精神的な苦痛に対する賠償のことです。

突然の事故で命を落とすことになった被害者本人の精神的苦痛は計り知れないものですが,死亡事故の慰謝料請求の場合には,残された遺族の精神的苦痛も無視することができません。

そこで,被害者が死亡した場合には,その近親者についても慰謝料請求が認められています(民法711条)。

 

慰謝料請求権の相続

被害者本人の慰謝料請求については,本人が既に亡くなっている以上,本人は行うことはできません。

そこで,相続人が被害者に代わって損害賠償請求を行うことになります。

かつては,慰謝料は本人のみ請求できるものであって,相続することはできないと考えられていたこともありましたが,現在ではその他の金銭債権と同様に相続することができるということが実務上定着しています(最高裁昭和42年11月1日判決)。

 

金額の算定

死亡事故の場合の慰謝料額は,被害者が一家の支柱であったのか,配偶者がいたのかといった事情から,例えば一家の支柱であれば2800万円程度といった具合におおよその金額について相場が形成されてきています。

ただし,実際に認められる金額は,事故の状況や,加害者の悪質性等,様々な事情を考慮して決められることになり,実際の認定額にはかなり幅がありますので,慰謝料の増額に結びつくような事情については漏れなく主張をしていく必要があります。

 

被害者本人の慰謝料と近親者固有の慰謝料の関係

裁判で,被害者本人の慰謝料と近親者固有の慰謝料を同時に損害賠償請求した場合,例えば,被害者本人の慰謝料が2000万円,近親者固有の慰謝料が,100万円と50万円などと認定されることになります。

なお,裁判所は,慰謝料の総額を決める上では,近親者固有の慰謝料と被害者本人の慰謝料を同時に請求する場合と,被害者本人の慰謝料としてのみ請求する場合とで差をつけることはしていないとしています(別冊判例タイムズNo.38 16ページ)。

 

保険会社との交渉

慰謝料の金額については,ある程度の相場が存在するとはいえ,実際の裁判では事案によってかなり金額に開きがあるのは事実です。

そのため,相手方保険会社から提示される金額がかなり低くなっていることが少なくありませんので,示談をする前に,金額が適正かどうかをきちんと確認する必要があります。

死亡事故で慰謝料の請求をお考えの方は,一度弁護士にご相談ください。

 

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