異議申立てで【14級→12級】平衡機能障害が認定され、訴訟で和解したケース
事案の概要
事故の状況は、横断歩道を歩いて横断していた被害者が、右折してきた自動車にはねられたというものです。
被害者は、頭を強く打ち、急性硬膜下血腫等の傷害を負った結果、通院加療を受けたものの、めまい等の神経症状の後遺症が残りました。
本件は、別の弁護士からの引継ぎの事案でしたが、その時点で、めまいの症状について、局部に神経症状を残すものとして、後遺障害14級9号の認定を受けていました。
弁護士の活動
自賠責保険の異議申し立て
本件では、めまい症状とは別に、事故後に腱板断裂について手術を受けるなどしていたのですが、これについては、事故から治療開始までに時間が空いていたことなどを理由に後遺障害認定には至っていませんでした。
前任の弁護士は、この腱板断裂部分で異議申立てを検討していたようでした。
しかし、腱板断裂は、日常生活の中で生じることもある疾患であり、自覚症状がないこともあるため、事故によって生じたものであるかどうかは、慎重に判断する必要があります。
本件では、事故前に肩の痛みを訴えて通院をしており、事故直後にMRI検査を行ったわけでもなかったため、腱板断裂について後遺障害を得るのは難しいと判断しました。
その一方で、めまいの症状については、ご本人様からうかがった話によれば、日常生活への影響は深刻で、後遺障害の等級として釣り合っていないように思われましたので、こちらで異議申立てができないか検討しました。
そこで改めて後遺障害診断書を見ると、「明らかな眼振は見られない」との記載があり、この点に問題があるように思われました。
めまいの後遺障害で、最も重視されているのが眼振の有無です。
眼振は、自分でコントロールできるものではないため、眼振が認められれば、障害については証明できたことになります。
そこで、まず、改めて耳鼻咽喉科で眼振を含む後遺障害認定に必要となる各種検査を受けていただき、後遺障害診断書も新たに作成してもらうようにお願いしました。
その結果、やはり眼振が認められ、その結果を後遺障害診断書にも反映してもらうことができましたので、それを元に異議申し立ての手続を行い、結果として、12級13号の認定を受けることができました。
示談交渉~訴訟提起
本件では、相手方の保険会社には既に弁護士がついていたため、異議申し立ての結果を踏まえて交渉を行いましたが、金額の乖離が大きかったため、やむを得ず訴訟を提起することとなりました。
裁判では、ご本人の症状が12級13号でも評価しきれていないように思いましたので、後遺障害9級を前提に請求を行いました。
結果として、9級の認定を受けるためには裏付けが不足していたため、12級13号の認定にとどまりましたが、12級13号を前提とした請求額としては満額で早期に和解することができました。
ポイント
本件は、ご本人が申告されている症状と後遺障害診断書の内容が見合っていないことに着目して後遺障害診断書の記載内容を改めることで異議申し立てが認められた事案です。
異議申し立てができるかどうかは、単純に資料だけを見ても判断できず、被害者ご本人からしっかりお話をうかがうことが大事であることを改めて認識させる事案でした。
また、訴訟提起をしたことで、交渉で得られるよりも手厚く補償を受けることができましたので、時間はかかりましたが、よい解決に至れたのではないかと思います。

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