整形外科の通院がわずか17日で後遺障害14級【むち打ち】の認定を受けたケース

2026-06-03

事案の概要

 事故状況は、停車中の追突事故で、事故車には一見して分かる大きなへこみ等は見られませんでした。

 この事故で、被害者は頚椎捻挫・腰椎捻挫の怪我を負い、約半年間の通院をすることとなりました。

 本件は物損の全損賠償額についても争いがありましたので、物損からのご依頼となりました。

弁護士の活動

物損の示談交渉

 本件は全損の事案でしたが、車両の時価額については保険会社提示額に問題はないようでしたが、買い替えに要する諸費用が考慮されていませんでしたので、その分の上乗せの交渉を行いました。

 また、代車の利用期間が長くなってきており、保険会社からレンタカーの引き揚げの打診がありましたが、この点については一般的な裁判の相場を示しつつ、依頼者にもできるだけ早期に納車の手続を進めるようにアドバイスを行い、自己負担のない形で示談することができました。

後遺障害認定

 事故から半年を経過しても症状が完全には消失しなかったため、自賠責保険の被害者請求により、後遺障害認定を受けることとなりました。

 後述するように、本件は事故状況や通院経過に照らして、認定の可能性は低いものと考えていましたが、結果的に後遺障害認定を受けることができました。

示談交渉

 示談交渉では、慰謝料や逸失利益の額が争点となりましたが、後遺障害については請求金額満額、入通院慰謝料では裁判基準からわずかに譲歩した形で示談することができました(治療費・休業損害を除き約350万円の賠償)。

ポイント

 頚椎捻挫や腰椎捻挫といった他覚所見を伴わない神経症状で後遺障害認定を受ける場合、一般的に通院の状況も重視されていると言われていて、整骨院の通院が多いと後遺障害認定を受けることが難しいなどと言われることがあります。

 実際に、私がこれまで担当してきた事案でも、事故の状況やMRI検査の内容等からすれば後遺障害認定が受けられそうに見えるのに、整骨院ばかり通って整形外科にはほとんど通っていないというようなケースでは、後遺障害認定が受けられないように見受けられました。

 ただ、例外的に、バイク事故で身体に受けた衝撃が強いものと考えられ、かつ、整骨院の通院が非常に多かった(135日超)ような事案で、整形外科にはほとんど通わなかったようなケースでも後遺障害14級9号の認定を受けられたようなケースもありました。(「整形外科の通院日数がわずか9日でむちうちの後遺障害14級認定」)

 しかし、本件の事例は、過去に後遺障害非該当となったケースと比較しても事故が大きいものは思えず、神経根への圧迫所見も認められないとされていたほか、整骨院への通院と合算しても実通院日数の合計は50日に過ぎず、後遺障害認定に有利になるような事情は見受けられませんでした。

 本件は、後遺障害が認定できるかどうかの限界事例だったと思われますが、整骨院の通院が多く整形外科への通院が少ないことが思ったほどマイナスに働いていないのかもしれません。

 まだこのような事例が多く見られるわけではないので、今後もむち打ち症や腰椎捻挫に関して、どのような場合に後遺障害が認定され、どのような場合に認定されないのかを注意深く見ていきたいと思います。