後遺障害併合14級【頚部、腰部、左肩痛・無職】で約170万円を獲得

2022-08-19

事案の概要

 事故状況は、被害者が自動車を運転して道路を直進していたところ、左側の路外施設から出てきた車が側面に衝突してきたというものです。

 被害者は、頚椎捻挫、腰椎椎間板障害、左肩関節捻挫といった傷害を負い、事故から半年を経過しても症状が消失せず、今後について不安に思われたためご依頼となりました。

当事務所の活動

 痛み等の症状が強く残っていたため、まずは後遺障害の認定を受けることとなりました。

 申請の際は、車の破損状況から、被害車両に強い衝撃が加わったことがうかがわれたため、その写真を添付することとしました。

 申請の結果、頚部、腰部、左肩の症状について、それぞれ後遺障害14級9号の認定を受けることができました。

 被害者は高齢で無職であり、就労の予定もなかったため、逸失利益の請求はありませんでしたが、結果として、治療費を除き約170万円を獲得することができました(自賠責保険金を含む)。

ポイント

 この事案は、後遺障害診断書の記載を見る限りでは、特筆すべき記載はなく、通院期間が若干長くなっていたものの、実通院日数は50日とそれほど多くもなく、後遺障害等級の認定が受けられない可能性もあった事案でした。

 結果的に後遺障害の認定を受けることができたのは、事故の衝撃が大きかったことがうかがわれるという点に加え、被害者が高齢で、レントゲン、MRIの画像上、症状が長引くことを裏付けるような所見が得られたということが考慮されたのではないかと思います(認定理由には詳細は記載されないため、正確なところは不明です)。

 最近では、後遺症が残っていても後遺障害の認定が受けられないということも少なからずありますが、後遺症が残ることについて納得のいく説明ができるようなケースであれば、認定が受けられることを示す事案でした。

 また、本件の後遺障害診断書の記載は、非常に簡素なもので、特記事項としては、MRI所見で、軽度のヘルニアがあるという程度で、その他は、特に異常なしといったことしか書いておらず、後遺障害診断書だけを見れば、何ら有利なことは書かれていないといって良いような内容でした。

 そのため、14級9号の認定がされるかどうかは、後遺障害診断書の記載のみで決まるものではないということを再確認させられた事案でもありました。