後遺障害14級9号【頚椎・腰椎捻挫後の疼痛】で約120万円→340万円

2022-07-13

事案の概要

 事故状況は,被害者が自転車で横断歩道を走行中、自動車にひかれたというもので、被害者は、頚椎捻挫・腰椎捻挫の傷害を負いました。

依頼の経緯

 本件は、ご相談前に既に事前認定により頚椎捻挫と腰椎捻挫にそれぞれ後遺障害14級9号(併合14級)が認定されており、それに基づいて、保険会社から、最終の支払額を約120万円とする示談金の提示がされていました。

 この示談金額が妥当かどうかということでご相談に来られました。

当事務所の活動

 弁護士が保険会社の提示額をチェックしたところ、入通院に関する慰謝料の額が低いことに加え、後遺症部分の賠償が75万円となっており、相場からすると著しく低くなっていました。

 この後遺症部分の75万円というのは、自賠責保険の14級の定額部分と同じ金額であり、上乗せ保険である任意保険としての支払は0円であることを意味しています。

 本件の特徴として、今回の事故の何年か前に、別の事故で怪我をして、その部分で後遺障害等級の認定を受けていたということがありました(怪我の場所は今回とは別)。

 しかし、伺った事情からすると、十分に増額が見込まれたため、見込み額をご案内した上で、示談金の増額交渉を行うことになりました。

 その結果、当初の約120万円から最終支払額340万円となって示談することができました。

ポイント

 上記のとおり、本件は事故の前に後遺障害等級の認定を受けていたというところに特徴がありました。

 この点に関連して当事務所の来られる前に別の交通事故に強いことをうたう事務所に相談したところ、そのような場合は後遺障害逸失利益が認められない可能性があるとの回答をされたそうです。

 しかし、後遺障害の逸失利益は、事故前年の年収をベースに計算することになるのですが、この事故前年の年収は、前回の事故の後遺症があることを前提に稼いだお金です。

 言い換えると、事故前年の年収について、前回の事故での後遺症がなければ、より大きな収入が得られていたかもしれないのです。

 したがって、それ以上に前回事故の後遺症を理由に減額すべきではありません。

 また、同一部位を怪我した場合、そもそも加重障害といって、前回後遺障害等級の認定を受けたときよりも上位の等級に該当しなければ、自賠責保険の後遺障害等級に認定されないことになりますが、それとも異なります。

 この点については、厳密に考えると、後遺障害等級や労働能力喪失率は、健常な人を基準に定められたものなので、後遺症を元々持っていた人にそのまま当てはめることはできないのではないかという議論も一応あります。

 しかし、既に述べたように、後遺症があることを前提としても実際に稼ぐ力があって、その年収をベースに逸失利益を計算しているのですから、それ以上に減額をする必要はないでしょう。

 実務上も、保険会社はそのような減額までは考えていません。

 前述のような別の弁護士によるアドバイスは、このような議論を知らないで行ったのか、敢えて見込みを消極的に答えたのかは分かりませんが、実務の相場とは異なるものと言えるでしょう。

 たしかに、この点は若干マイナーな問題で、交通事故を専門的に扱っていないと判断に迷う部分であるとは思います(同一部位の場合は、自賠責保険の認定段階で問題なるので、比較的よく知られていると思います)。

 当事務所では、セカンドオピニオンも承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。