ネットの情報には要注意

2022-03-31

 最近では、インターネットで交通事故に関する様々な情報が発進されていて、このサイトもそのうちの一つです。

 これらの情報の中には役に立つものもありますが、中には、被害者を惑わす不適切なものもありますので、注意するようにしてください。

 私が依頼を受けた案件でも、後遺障害の認定手続きに関して、行政書士から不安をあおられるような説明を受けた結果、適切な処理ができなかったという案件があります。

 文章を書くのは人間ですので、ホームページ上に書いたことの中に誤りが含まれることもあるでしょう(弊所の記事の中にも誤りがある可能性はゼロとはいえません)。

 しかし、不確かな情報で顧客を誘引しようとすることは明らかに不適切であり、また、そのような者が本業を適切に行っているとも思えないので、十分に気を付けてください。

弁護士の広告の規制(参考)

 弁護士の出すインターネットを含めた広告については、記載内容に守るべき指針が定められていて、以下のようなものは掲載してはいけないとされています。

 これは、弁護士に対する規制ですが、一般的にも当てはまる部分が多いと思われますので、参考にしてみてください。

1 困惑させ、又は過度な不安をあおる広告

 例「今すぐ請求しないとあなたの過払金は失われます。」

 「すぐに〇〇しないと大変なことになりますよ」といったものですね。

 このような広告は、見た人が不安に駆られ、正常な判断力を失わせることになるため、不適切というわけです。

2 誇大又は過度な期待を抱かせる広告

 例「当事務所ではどんな事件でも解決してみせます。」

 例「たちどころに解決します。」

 これらは、実際には結果が必ずしも保証できないにもかかわらず、それができるように見えますので、不適切です。「誰でも痩せられます」とうたうダイエット商品のようなものです。

※弁護士は、事件について、依頼者に有利な結果となることを請け負い、又は保証してはならないとされています。弁護士の業務で、「絶対に勝てる」というものは存在しないのです。

3 弁護士等の選択にとってあまり重要でない事項をあたかも重要であるかのように強調した広告又は不正確な基準を用いて実際よりも優位であるかのような印象を与えるような広告

 これは少し分かりにくく、グレーな部分も多いと思われます。例としては以下のものが挙げられています。

例「○○地検での保釈ならお任せ下さい、元○○地検検事正」

例「保釈の実績○○件、保釈なら当事務所へ」

4 訴訟事件の勝訴率の表示

 これは、実際には受け持った事件の性質に大きく左右されるものでもあり、広告を見た人に当てはまるとは限らないものですので、誤導又は誤認のおそれのある広告の典型例として禁止されています。

 ところが、インターネットを見ていると、後遺障害の認定率が〇〇といったものも中にはあるようなので、こういったものを見て誤認されないように願います。

まとめ

 いかがだったでしょうか。インターネットで色々とみていただくと、思い当たるものが見つかるではないでょうか。

 個人的な印象ですが、弁護士のホームページよりも、行政書士等のホームページに不適切だと考えられるものが多いように思います(不確かなことを断定的に語るなど)。※もちろん、行政書士一般に問題があるわけではありません。

 初めての交通事故で分からないことが多く、不安になる気持ちも分かりますが、怪しい情報に惑わされず、冷静に判断することが大事です。