後遺症の賠償交渉

後遺症の賠償交渉 交通事故で傷害を負い,治療を続けたものの後遺症が残ってしまった方もいらっしゃると思いますが,後遺症についても事故の加害者から賠償を受けることができます。

 後遺症による賠償は,入通院慰謝料や休業損害など治療期間中の比較的短期間に関する賠償の場合と異なり,数年から数十年にわたって抱える不自由・苦痛に関する賠償の問題となりますので,金額も高額になることが多いところです。

 結論から申し上げますと,後で述べる後遺症の認定を受けられた方の場合,弁護士にご依頼いただくことを強くおすすめします。

 その理由は,金額が大きいということもありますが,保険会社の示す金額が,不当に低いということが非常に多く見られるためです。

 そのため,弁護士費用特約に加入されているかどうかにかかわらず,まずは弁護士にご相談いただいた方が良いと思います。

 後遺症に関する賠償の大きなポイントとして,次の3つを挙げることができます。

  1. 「後遺障害等級の認定」
  2. 「逸失利益の計算」
  3. 慰謝料の計算」

※このほかにも,重度の後遺障害が残った場合,将来の介護費用が非常に大きな金額になるほか,家屋等の改造費用,将来の手術費用などが問題になることもあります。

後遺障害等級の認定

 後遺症に関して加害者から賠償を受けるためには,自分にどんな後遺症が残ったかを証明する必要があります。

 実務上は,この方法として,自賠責保険による認定を受けるということが行われています。

 自賠責保険の後遺障害の等級は1級~14級までありますが,それぞれ,どのような場合に等級が認定されるのか定められていますので,まずはこの条件を満たすことを審査してもらうことになります。

 相手の保険会社は,この認定がされていなければ,後遺症に関する示談交渉には一切応じないというのが通例ですので,話し合いによる解決を目指す場合,ここをクリアすることが必須となります。

 裁判等によって,自賠責保険で認められなかった等級が認められ可能性がないわけではないですが,裁判所も自賠責保険の認定結果を重視していますので,いずれにしても,自賠責保険による後遺障害等級の認定は非常に重要です。

後遺障害等級が決まったら

 後遺障害等級が適切に認定された場合,弁護士は,相手方保険会社との間で最終の示談交渉をしていくことになります。

 実際に生じた治療費や休業損害の請求の場合と異なり,将来どの程度の損害が発生するのかを予測して請求するというところに特徴があります。確実にいくらの損害が出るのかを根拠を元に請求しなければならないため,分かりにくいところが多い部分でもあります。

 現実的には,各被害者の事情を細かく見て将来の事情を予測して計算するというのは不可能に近いため,過去の事例をもとにして計算をしていくことになります。

 そのため,自分の後遺症の状態・職業・年齢に照らし,同様の事例でどういった判断がされてきたのかを知ることが,解決のための第一歩となります。

 

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