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過失割合50:50から20:80に変更した事例
今回は,当事務所で取り扱った交通事故の案件の中で,弁護士が交渉を行ったことで過失割合が大きく変更されたケースについてご紹介します。
事案の概要
事案は,交差点を通過した被害者の乗った自動車が,交差点の先にある住宅の前を通過しようとしたところ,その住宅の駐車スペースにバックで駐車すべく右側に停車していた加害者の車両が,バックのために膨らんできたために衝突してきたというものです。
被害者は,円満解決を望んでいて,自分も動いていたこともあったので,多少減額されても仕方がないと当初思っていたのですが,加害者から,60対40と思ったより減額を主張されて驚いていたところ,話をしているうちに50対50などと言われるようになったため,当事務所にご依頼いただくことになりました。
交渉経過
事故は,被害者が加害者の車の横を通過しているときに,突然加害者の車が膨らんできたというものであったため,被害者にとって回避することは非常に難しいものでした。
そのため,過失割合が50対50ということはあり得ないと考えられましたので,まずはその旨を道路交通法の条文などを引用しつつ説明しました。
これに対し,おそらく相手の保険会社は,加害者の責任が大きくなることについて異存はなかったようなのですが,加害者本人が頑として譲らず,話し合いが平行線となってしまいました。
このような背景として,調査会社が行った調査の結果が50対50とされたことがあるようでした。
調査会社というものは耳慣れない方が多いかと思いますが,保険会社が過失割合の認定をする際に,判断に迷った場合,外部に調査を依頼することがあるのです。
そのため,そのような結果を受けてか,加害者本人が非常に強気になっていました。
訴訟の提起
話し合いでは妥当な解決が図れない可能性が高まったことから,被害者と協議の上で,裁判で決着をつけることとしました。
裁判では,刑事記録(今回の場合は物件事故報告書というものになります。)を警察から取り寄せ,各種証拠と共に裁判所に提出することになります。
また,裁判所の判断を仰ぐため,こちらの主張が認められるように内容を訴状という形にして整理します。
そして,準備が整ったので,実際に裁判所に書類を提出しました。
裁判所に書類を提出すると,裁判所から加害者本人に対して書類が送られることとなります。
和解の成立
そうして,裁判の日にちも決まって備えていたのですが,相手の保険会社から,加害者本人が過失割合20対80とすることに応じるとの連絡がありました。
被害者は,元々円満解決を望んでおられたこともあり,これに応じることとしました。
その結果,実際に裁判が始まる前に訴えを取り下げることとなり,意外な形で解決となりました。
ポイント
過失割合は,通常,別冊判例タイムズNo.38「民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準」(東京地裁民事交通訴訟研究会 編)を参考にして決められることが実務上定着しています。
これは,相手方の保険会社も同様ですので,一般的な事故類型であれば,保険会社から極端におかしな過失割合が示されることはほとんどありません。
しかしながら,本件は,自宅の駐車スペースに入れるために対向車線に一度停車し,そこからバックのために膨らんできて被害車両にぶつけるというもので,およそ通常では起こり得ないような事故類型でした。
そのため,この本に書かれている基準をそのまま使うことができず,そのような場合,本の内容を参考にしつつも,妥当な過失割合を当事者の間で話し合って決めなければなりません。
このときに,調査会社というものが出てきて過失割合について見解を述べることがありますが,調査会社は,法的な資格に基づいて過失割合を判断しているわけでなく,弁護士から見たときに見当違いの見解を述べることが少なくありません。
しかし,保険会社は,この判断をかなり重視することがありますので,それがおかしいことについて丁寧に説明する必要があります。
また,それ以上に過失割合の交渉が難しいのは,あくまでもどちらが悪いのか?という感覚的な問題なので,形式的な基準がないとなると加害者本人が素人判断で見当違いの過失割合を主張してくることがあるということです。
そうなると,なかなか理論的な説得が通じないことがあり,今回のように訴訟に踏み切らざるを得ないということも出てきます。
ただ,それでも根気強く丁寧に説明をすることで,最終的には合意に至ることもありますので,この辺りは弁護士の力量が試されるところかもしれません。
まとめ
過失割合の交渉は,慰謝料の交渉とは違って,加害者本人の意向なども絡んで難しいことが多い部分です。それでも,粘り強く交渉することで過失割合が変更されることも少なくありませんので,相手方が明らかに不当な主張をしているような場合には,一度弁護士にご相談されることをおすすめします。

千葉で交通事故のご相談なら福留法律事務所へ
当事務所は、千葉県を中心に交通事故の被害者救済に特化し、10年近くで500件以上の解決実績がある法律事務所です。
交通事故の示談交渉で保険会社から提示される賠償金額は、本来受け取るべき適正額より低いことがほとんどです。
特に、後遺障害が残る事故や死亡事故では、弁護士が交渉することで賠償金が大幅に増額されるケースも少なくありません。
当事務所では、交通事故被害に遭われた方の正当な権利を守るため、豊富な経験を持つ弁護士が示談金の増額交渉や後遺障害等級の認定を強力にサポートいたします。
保険会社とのやり取りで生じる精神的なご負担も、私たちが代理人となることで軽減できます。
「保険会社から提示された金額が妥当か知りたい」という方のために、賠償金額の無料診断サービスも行っております。
ご相談は千葉県全域に対応しており、後遺症に関するお悩みは全国からの電話相談も可能です。
ご来所が難しい場合でも、まずはお気軽にお問い合わせください。
後遺障害等級14級(むちうち)で請求のほぼ満額の支払いを受けた事例
今回は,当事務所で取り扱った交通事故の案件の中で,後遺障害等級14級9号が認定され,請求額のほぼ満額が支払われたケースをご紹介します。
事案の概要
事案は,信号待ちで停車中の被害車両に後方から加害車両が衝突してきて,被害者量が衝撃で前に止まっていた車に衝突したという玉突き事故です。
治療終了間際で,後遺症の申請サポートからのご依頼でした。
当事務所の活動
まずは,後遺障害の被害者請求を行うところから着手しました。
また,同時並行で治療期間中(傷害部分)の損害賠償の請求も行いました。
怪我の内容がむちうちであったため,後遺障害等級が認定されるかは不透明で,出来上がった後遺障害診断書を見ると,神経根症状誘発テストの結果が陰性となっているなど,少し気になる内容でした。
そこで,必須書類の他にも書類を添付し,被害者請求を行いました。
その結果,無事,14級の認定を受けることができましたので,その結果を受けて相手方と後遺障害部分の交渉を行うこととなりました。
相手方保険会社との交渉
今回は,後遺障害分の被害者請求と並行して傷害部分(治療終了までの部分)の示談交渉を進めました。
傷害部分で問題となったのは,休業損害の不足額と傷害慰謝料の額でしたが,休業損害の方は当方の提示額の満額,傷害慰謝料の額も裁判基準(赤い本)の約97%とほぼ満額で示談することができました。
続いて,後遺障害の認定を得ることができましたので,後遺障害分についても追加で請求を行いました。
その結果,後遺障害分については,労働能力喪失率5%,労働能力喪失期間5年の満額と後遺障害慰謝料は裁判基準(赤い本)の約99%で示談をすることができました。
後遺症傷害の申請のポイント
本件は,むちうち症の後遺障害等級14級9号という後遺障害の中では最もポピュラーな事案です。
しかし,むちうち症は,他人から見ると症状の原因がよく分からないということがほとんどで,近年では,単に被害者が痛みを訴えるのみでは自賠責でいう後遺障害には当たらないとされることが多く,認定を受けるのは容易ではありません。
そのため,後遺障害の申請の段階から,できるフォローはしておいた方が良いと思います。
本件の場合,玉突き事故であったことが特徴の1つで,軽い事故であれば玉突き事故にはなりません。
この点から,被害者の身体にもかなりの衝撃が加わったことが分かりました。
そこで,被害者から車両の写真を取り付け,それを申請書類に添付することで,事故の衝撃の大きさを明らかにしました。
次に,被害者は,手のしびれを訴え,そのことは後遺障害診断書には書かれていたのですが,それ以前の毎月作成される診断書にはそのことの記載が全くありませんでした。
そこで,カルテを取り寄せ,治療の当初からしびれが一貫して存在していたことを明らかにしました。
自賠責保険では,症状の連続性や一貫性が重視されているといわれているためです。
こうして,自賠責保険に提出する必須書類に加え,追加書類を添付して後遺障害の申請を行ったところ,無事等級の認定を受けることができました。
交渉のポイント
本件の交渉は,相手方の対応があまり強硬ではなかったこともあり,裁判基準のほぼ満額を支払うことについて,早期に合意に至ることができました。
コメント
インターネット上の情報を見ると,後遺障害の申請は必ず被害者請求で行うべきであるというようなものが見受けられます。
しかし,私の経験上は,被害者請求の方が事前認定よりも有利な結果が出やすいということは必ずしもないように思えます(事前認定であっても,適切に認定されることは数多くあります。)。
ただ,必須書類のみでは伝わらないような事情があるような場合には,やはり被害者請求でその点が分かるような書類を添付しておいた方がいいように思えます。
実際,事前認定では後遺障害の等級が認められなかったものが,書類を追加して異議申し立てを行ったところ,等級が認められたということもあるからです。
申請に当たって,どこまでフォローをすべきかはケースによりますが,後遺症のことで気になることがおありでしたら,お気軽にお問い合わせください。
弁護士に依頼すべき理由はこちら→「なぜ弁護士に交渉を依頼すべきか」

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当事務所は、千葉県を中心に交通事故の被害者救済に特化し、10年近くで500件以上の解決実績がある法律事務所です。
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当初約6万6000円の提示から約68万円に増額した事例
今回は,当事務所で取り扱った交通事故の案件の中で,通院機関4か月半と比較的短期の通院期間で,当初の賠償金の提示額が低かったケースについてご紹介します。
事案の概要
事案は,青信号で交差点を直進していた原付バイクに対抗右折車両が衝突してきたという交通事故です。
本件は,弁護士費用の特約の利用はなく,後遺障害の認定もないケースではありましたが,弁護士へ支払う費用を考慮しても十分にメリットがあると考えられたため,ご依頼となりました。
当事務所の活動
本件は,依頼者様が特に早期の解決を望まれている事案だったので,依頼後,すぐに交渉を開始しました。
相手方保険会社との交渉
本件は,怪我の内容の中に腰椎の横突起骨折が含まれていて,捻挫・打撲のみで他覚的所見がないようなケースと比較して慰謝料の額が高額になると考えられるケースでした。
しかし,当初保険会社から提示されていた慰謝料の金額は,自賠責保険の基準(4,200円×実通院×2)という非常に低い金額となっていました(約22万円)。
そこで,この点について弁護士が示談交渉を行い,慰謝料の金額は約90万円となりました。
また,休業損害については,ご依頼前にパートの仕事を実際に休んだ分が支払われていたのですが,依頼者様はパートの他に家事労働に従事する兼業主婦の方でしたので,その点を踏まえた増額のための示談交渉を行いました。
その結果,休業損害は元々約73万円とされていたのですが,主婦業を考慮して,約87万円を認めさせることができました。
そのため,合計額は,当初と比較して約73万円増額し,過失分が差し引かれたものの,最終の支払額は当初の提示額約6万6000円から約68万円に増額しました。
また,本件は,ご依頼から賠償金の入金まで約4週間でしたので,ご依頼者様のご希望に沿うことができたのではないかと思います。
コメント
多くの方からご相談をいただく中で,「こんな小さな事故で依頼をしてもいいんでしょうか?」とか「費用が気になる…」とおっしゃる方が多くいらっしゃいます。
しかし,そういった方こそ,是非一度ご相談ください!
交通事故の被害をご自身で正確に把握するということは想像以上に難しいことで,思った以上に損害が発生しているということは珍しくありません。
そのため,ご自身では小さい事故だと思っていても,弁護士に依頼した結果,思いのほか大きい金額を受け取ることができたということが非常に多いのです。
この方の場合も,弁護士費用の特約へのご加入はありませんでしたが,増額分が約60万円でしたので,弁護士費用(増額分の10%+15万円)を差し引いても十分なメリットがありました。
法律相談は無料若しくは弁護士費用特約の利用でご自身のご負担はありませんので,まずはお気軽にご相談ください。もちろん,経済的なメリットがでないケースもあり得ますが,そういった場合,ご依頼前にその旨をはっきりとお伝えし,メリットが出ないのに無理に依頼をすすめるということはありませんのでご安心ください。
賠償金が〇倍にアップ?
ところで,インターネット上で,当初の金額から〇〇倍に金額がUP!といったことが書かれているホームページをよく見かけます。
同じような書き方をすれば,本件の場合も10倍以上にアップしたということになるのでしょう。
しかし,個人的には,このような書き方では,見た人が誤った印象を受けてしまうのではないかなと思っています。
今回のケースもそうですが,被害者にも過失があるような場合,それまでに相手方から満額支払われていた治療費や休業損害についても,最終の支払いの際に清算の対象となります。
そのため,そういった場合,相手方の当初の提示額が非常に低いものになりがちで,場合によってはゼロとなります。
このような場合に,元の金額をベースに〇倍という書き方をすると,ものすごくインパクトのある数字になってしまうのです。
わかりやすい例を挙げますので,以下のような例があったと考えてください。
過失割合 20対80
治療費 100万円(支払い済み)
休業損害 100万円(支払い済み)
慰謝料 保険会社の提示額50万円(裁判基準100万円)
この場合,慰謝料だけでみると,過失分を引かれても,50万円の80%で40万円を受け取れそうです。
しかし,治療費と休業損害で,相手方は,これまでに本来支払わなくても良いはずの20%分まで全額支払っていて,この払いすぎた分は200万円の20%で40万円になります。
そのため,この分が最終的には清算されますので,結果的に受け取れる慰謝料の額はゼロということになるのです。
これを,弁護士が交渉して裁判基準での慰謝料の支払いを認めさせることができれば,100万円の80%で80万円から40万円を差し引いた40万円を受け取ることができます。
この場合,先の書き方にならえば,0円から40万円にUP!ということになるのでしょう(金額が少し変われば,1万から40万円に40倍になった!などとなるでしょう。)。
しかし,交渉する立場からしてみれば,過失割合が変更できないのであれば,過失ゼロのケースで50万円から100万円にするのも(これだと増額は当初の2倍),上で挙げた例で0円から40万円にするのも交渉の難しさは変わりませんし,被害者の方にとっても,〇倍になったことが重要なのではなく,最終的な支払額がいくらになったのかの方が重要なはずです。
そのため,色々な弁護士のホームページをご覧になっている方も,〇〇倍になった!というインパクトよりも,その中身の部分で,弁護士がどのような活動を行っているのかというところに着目されると良いかと思います。
当事務所では,なぜ相手の提示額が低くなっているのかなどについても,できるだけ分かりやすく説明するように心がけていますので,交通事故の賠償の件で少しでも気になることがある場合は,お気軽にお問い合わせください。

千葉で交通事故のご相談なら福留法律事務所へ
当事務所は、千葉県を中心に交通事故の被害者救済に特化し、10年近くで500件以上の解決実績がある法律事務所です。
交通事故の示談交渉で保険会社から提示される賠償金額は、本来受け取るべき適正額より低いことがほとんどです。
特に、後遺障害が残る事故や死亡事故では、弁護士が交渉することで賠償金が大幅に増額されるケースも少なくありません。
当事務所では、交通事故被害に遭われた方の正当な権利を守るため、豊富な経験を持つ弁護士が示談金の増額交渉や後遺障害等級の認定を強力にサポートいたします。
保険会社とのやり取りで生じる精神的なご負担も、私たちが代理人となることで軽減できます。
「保険会社から提示された金額が妥当か知りたい」という方のために、賠償金額の無料診断サービスも行っております。
ご相談は千葉県全域に対応しており、後遺症に関するお悩みは全国からの電話相談も可能です。
ご来所が難しい場合でも、まずはお気軽にお問い合わせください。
主婦の休業損害を含め約180万円の支払いを受けた事例(治療費は除く)
今回は,当事務所で取り扱った交通事故の案件の中で,兼業主婦をされていた被害者の方の事例をご紹介します。
事案の概要
事案は,停車中の被害車両に,前方から突然バックしてきた加害車両が衝突してきたという交通事故です。
自営業を営みながら通院をすることとなるなど,事故後の対応に不安な点も多かったことと,弁護士費用の特約にご加入されていたこともあって,事故当初からのご依頼となりました。
当事務所の活動
弁護士がお話を詳しく伺ったところ,事故後の通院や症状の影響から,たしかに自営のお仕事への影響があり,その分の休業損害の請求も可能なケースでした。
しかし,自営業の休業損害の場合,休業が必要だったのか,あるいは,必要だったとしてどの程度の休業が必要だったのかという点で難しいところが多く,金額の計算も,相手方の交渉では争いとなることが少なくありません。
他方で,今回の場合,自営の仕事の他に主婦業もされている方であったところ,実務上で認められる主婦業に関する休業損害の金額は決して低くありません。
そこで,休業損害については,治療終了後,主婦の休業損害として請求することにしました。
なお,今回は,特に後遺症は問題となりませんでした。
相手方保険会社との交渉
今回は,初回に賠償金額の提示を受ける前に,保険会社の担当者と簡単な交渉を行っていましたので,初回の提示額の時点で約128万円の提示を受けていました。
しかし,その後,さらに交渉を進め,最終的に約180万円の支払いを受けることで示談が成立しました。
交渉のポイント
兼業主婦の休業損害の計算
まず,兼業主婦の休業損害なのですが,一見すると,実際に休んだ仕事の損害分しか加害者に請求できないという感覚になるのではないでしょうか。
しかし,実務上,専業主婦の場合でも,女性労働者の平均賃金を使って賠償の請求ができるとされており,パートなどをしながら兼業主婦をしている人が,専業主婦の場合よりも受け取れる賠償金の額が小さいというのは不合理ですので,現実の収入額と女性労働者の平均賃金を比較して,高い方を用いて賠償金の計算をすることが認められています。
自営業の休業損害の請求の難しさ
自営業の休業損害の請求が難しいところは,実際に休業したのか,休業をしたとして,その休業が本当に必要だったのかが容易に分からないという点にあります。
サラリーマンであれば,実際に休業していたかどうかは会社に問い合わせれば分かりますし,会社との関係上,不必要に休業を続けることも通常はできません。
そのため,サラリーマンであれば,極端な休業の仕方をしなければ,この点が問題になることはあまり多くありません。
逆に,自営業であれば,誰かに勤怠を管理されているわけではないので,この点の検証が非常に難しいのです。
そのため,保険会社は,自営業の場合の休業損害の認定について厳しい態度をとってくることが多いです。
さらに,自営業の場合,所得の低下の他に,固定経費が無駄になるという問題もあります(例えば,休業していても発生するような店舗の家賃など)。
このような経費分も加害者に請求することが可能なのですが,この点も保険会社はすんなりとは認めません。
このように,自営業の休業損害について,適正な額の支払いを受けることは,一筋縄ではいきません。
主婦の休業損害として請求した理由
これに対し,主婦業の場合,まず基礎収入に関しては,実務上の考え方は固まっていますので,ほとんど問題になりません(保険会社は自賠責基準の5700円を主張することもありますが…)。
休業の日数については,明確な決まりがなく争いになりやすいところではありますが,自営業の場合よりは,緩やかに認められることが多いように思います。
この辺りは,同種の過去の事例のデータを元に妥当なラインを探るほかありません。
いずれにしても,今回は,支払いを受けられる金額の見込みを考慮して,主婦の休業損害として請求を行いました。
コメント
今回は,保険会社との交渉であまり争いになりませんでしたが,通常,主婦の休業損害の額はかなり大きな争いになります。
したがって,一般的には,弁護士が交渉を行ったからといって,このケースのようにすんなりと支払いが受けられるとは限りません。
しかし,そのように元々難しい問題であるからこそ,ご自身で解決することが一層難しい部分でもあります。
主婦の休業損害は,そもそもそのような賠償が可能であること自体気付かないことも多いのですが,金額は決して小さくありません。交通事故で負ったケガの影響で主婦業に支障が出ているような場合には,まずはお気軽に弁護士にご相談ください。当事務所では無料相談も実施しております。

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当事務所は、千葉県を中心に交通事故の被害者救済に特化し、10年近くで500件以上の解決実績がある法律事務所です。
交通事故の示談交渉で保険会社から提示される賠償金額は、本来受け取るべき適正額より低いことがほとんどです。
特に、後遺障害が残る事故や死亡事故では、弁護士が交渉することで賠償金が大幅に増額されるケースも少なくありません。
当事務所では、交通事故被害に遭われた方の正当な権利を守るため、豊富な経験を持つ弁護士が示談金の増額交渉や後遺障害等級の認定を強力にサポートいたします。
保険会社とのやり取りで生じる精神的なご負担も、私たちが代理人となることで軽減できます。
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後遺障害等級12級6号が認定され約580万円獲得した事例
今回は,当事務所で取り扱った交通事故の案件の中で,後遺障害等級12級6号が認定された事例をご紹介します。
事案の概要
事案は,自転車で横断歩道を横断中,左側から交差点に進入しようとした自動車に衝突されたというもので,被害者は,右手舟状骨骨折の傷害を負いました。
治療中の慰謝料等についてはご自身で示談をした後で,後遺障害に関する申請からの依頼となりました。
当事務所の活動
被害者請求
本件では,右手関節の可動域制限や疼痛等の神経症状が残存しており,後遺障害の認定が見込まれました。
そこで,各種資料を取り寄せ,被害者請求によって自賠責保険会社に保険金請求を行いました。
事前認定による申請もあり得たところでしたが,被害者請求は,提出書類を吟味できるほか,事前認定よりも早く賠償金を獲得できるというメリットがありますので,被害者請求を行いました。
申請の結果,可動域制限について,後遺障害等級12級6号が認定され(疼痛は可動域制限と通常派生する関係にあるため,これに含まれる。),保険金として224万円が支払われました。
相手方保険会社との交渉
自賠責保険は,あくまでも最低限の補償を迅速に行うためのものですので,被害者に対する賠償としては不足しています。
そこで,その分をカバーするための保険である,加害者側の任意保険会社に対して,差額の支払いの交渉を行いました。
当初,相手方は,慰謝料の額を裁判基準の8割,逸失利益は労働能力喪失期間を10年間と主張し,過失分と自賠責分を除いた最終の支払額を約220万円としていました。
しかし,弁護士が交渉を行った結果,慰謝料は満額,逸失利益は労働能力喪失期間が15年となり,最終の支払額は約360万円となって,140万円の増額に成功しました(弁護士介入後の獲得金額は約580万円)。
交渉のポイント
後遺障害に関する損害賠償の場合,将来にわたって発生する損害を予測することになりますので,どうしても金額が不明確になる部分があります。
このケースの場合,特に問題になるのは逸失利益の部分で,逸失利益とは,将来後遺症を原因としてどの程度の減収が発生するのかを予測して請求するのですが,これは,厳密に予測することは不可能なので,通常は,事故前の収入に認定された後遺障害の等級に応じて決められた労働能力喪失率をかけ,その減収がどの程度の期間続くのかという形で計算します。
今回認定された12級6号の場合だと,労働能力喪失率について争われることはあまり多くなく,争いになるのは減収が何年間続くのかという形で争われることが多いです(労働能力喪失期間)。
後遺障害は,基本的に永久に残存するものについて認定されるものですので,単純に考えると,働ける間は減収が続くということになります(一般的には67歳までとされます。)
ところが,実際には,そもそも労働能力喪失率どおりに減収が生じていなかったり,将来改善する可能性があるといった事情から,労働能力喪失期間で調整が行われることがあります。
また,むち打ち症に関して12級の13号が認定された場合,労働能力喪失期間が一般的に10年間とされることが多いことから,保険会社は12級となると10年という主張をしてきます。
12級6号の場合,基本的に,画像を見て可動域制限の原因が分かるような場合でなければ認定されず,画像上はっきりと原因が分かるような場合であれば,一生涯改善の見込みはないと考えられますので,労働能力喪失期間も基本的に67歳までと考えられます。
しかし,減収がないような場合には,裁判をしても見込んだとおりの金額が認められるとは必ずしも限りません。
本件の場合,ご本人の早期解決のご意向が強かったことや,慰謝料は満額となっていたこと,労働への支障も現時点ではそれほど大きくなかったことから,労働能力喪失期間を15年とすることで示談としました。
コメント
後遺障害は,等級の数字だけではなく,どういった後遺症に対して等級が認定され,実際にどのような支障が生じているのかということを見ながら,適正な賠償金額を判断していくことになります。
本件のような12級6号と,神経症状について認定される12級13号とでは,賠償上の違いがありますし,その他の等級(例えば変形障害や醜状障害など)の場合でも,特別な考慮が必要となることがあります。
この辺りの判断は,専門家でなければ難しいところですので,後遺症が気になる場合は,おひとりで悩まれずにお気軽に弁護士にご相談ください。当事務所では無料相談も実施しております。
弁護士に依頼すべき理由はこちら→「なぜ弁護士に交渉を依頼すべきか」

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ご来所が難しい場合でも、まずはお気軽にお問い合わせください。
後遺障害等級10級で3000万円超の損害額が認められた事例
今回は,当事務所で取り扱った交通事故の案件の中で,後遺障害等級10級が認定された事例をご紹介します。
事案の経過
事案は,信号機による交通整理のされている交差点での事故で,バイクに乗って交差点を直進しようとした被害者が,右折をしようとした車にひかれたという交通事故です。
被害者は,親指のMP関節尺側側副靭帯損傷・MP関節亜脱臼,右肩関節脱臼といった傷害を負いました。
当事務所の活動
ご依頼
事故によって負った怪我の内容が比較的重く,初めての事故で不安に感じられていたため,事故当初からご相談に来られ,そのまま,物損も含めて弁護士が相手方との交渉を対応することとなりました(弁護士費用特約の加入はありませんでしたが,当事務所はそのような場合,相談料・着手金は無料ですので,当初からご依頼いただくこととなりました。)。
物損
物損はそれほど争いにならなかったのですが,必要書類の提出や示談内容のチェックなどを行いました(この点は成功報酬の計算の対象外としています。)。
治療中
治療中は,休業損害の請求などを弁護士が代わって行いました。この点も,あまり争いにならなかったので,成功報酬の計算の対象外としています。
治療終了後
治療終了後は,指関節の可動域制限などの後遺症が残っていたため,後遺障害申請のサポートを行うとともに,並行して,それまでに発生した慰謝料等の請求を行いました。
後遺障害等級認定後
後遺障害の申請を行った結果,後遺障害等級併合10級が認定されましたので,その結果を元に,後遺障害分について相手方の任意保険会社と交渉を行いました。
金額が大きかったため,交渉に若干の時間を要しましたが,後遺障害の内容から逸失利益は問題にならないことなどを強く主張し,逸失利益については請求額の満額,慰謝料についても裁判基準をベースに若干の減額を受けたのみで,傷害部分も合わせると総額約3000万円(ただし,治療費も含みます。),過失相殺15%分を除いた支払総額は約2600万円となり,後遺症分の最終支払額は約2200万円となりました。
その結果,ご依頼者様の早期解決の意向もあり,そのまま示談となりました。
メッセージ
交通事故に遭うことは一生に一度あるかないかのことで,保険や賠償の仕組みのことなど分からないのが通常です。
とはいえ,分からないからといって保険会社に任せきりでは,本来受けられるはずの補償が受けられないということは非常に多いです。
交通事故の被害に遭った上に,自分でも資料を揃え,交渉を行わなければならないのはおかしいと思われるかもしれません。
しかし,加害者としても,全てを言い値で支払うことはできませんので,どうしても最低限の資料や説明は必要となります。
特に,後遺症となると,将来の損害を予測して賠償の請求をすることになることとの関係上,複雑な問題を含むことがむしろ多数で,しっかりとした根拠とともに請求を行わなければ,適切に補償を受けることは困難です。
また,金額が大きければ,それだけ相手方のチェックも厳しくなります。
そのため,重い後遺症が残りそうな場合には,お早めに弁護士にご相談いただき,適切に交渉を行っていくことを強くおすすめします。

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交通事故の示談交渉で保険会社から提示される賠償金額は、本来受け取るべき適正額より低いことがほとんどです。
特に、後遺障害が残る事故や死亡事故では、弁護士が交渉することで賠償金が大幅に増額されるケースも少なくありません。
当事務所では、交通事故被害に遭われた方の正当な権利を守るため、豊富な経験を持つ弁護士が示談金の増額交渉や後遺障害等級の認定を強力にサポートいたします。
保険会社とのやり取りで生じる精神的なご負担も、私たちが代理人となることで軽減できます。
「保険会社から提示された金額が妥当か知りたい」という方のために、賠償金額の無料診断サービスも行っております。
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人身傷害保険の併用で過失分も含めて満額回収できた事例
今回は,当事務所で取り扱った交通事故の案件の中で,人身傷害保険を利用して過失分も含めて裁判基準で賠償金を回収できた事例をご紹介します。
事案の経過
事案は,駐車場内の事故で,被害者が駐車スペースにバックで自車を停めようとしたところ,停めようとした駐車スペースの横のスペースに停まっていた車が突然後退してきたため,被害者が運転する車と衝突してしまったという交通事故です。
当事務所の活動
物損
まず,今回の場合,駐車場内の車同士の事故であったため,過失なしとすることが難しいというところが問題となりました。
感覚的には,安全を確認した上で駐車スペースに向けて進んでいるため,いきなりバックしてきた相手の車が一方的に悪いという風に感じられるところです。
しかし,駐車場内の事故の場合に一般の道路と違うところは,車の間から歩行者が出てきたり,車が後退で動き出したりする可能性が高く,ドライバーが通常以上にそういったことに注意をしながら運転をしなければならないという点です。
そのため,駐車場内の事故の場合,過失がゼロとなることは難しく,通路を進行する車と駐車スペースから出ようとする車の過失割合は,通路を進行する車が30,駐車スペースから出ようとする車が70とされることが一般的で(別冊判例タイムズNo.38),保険会社は,駐車場内の事故というだけで,50対50を主張してくることも珍しくありません。
本件でも相手方は,当初過失割合を50対50と主張していました。
しかし,ご依頼を受け,防犯カメラの映像を元に,事故状況から被害者が事故を回避することが困難であったことを丁寧に説明し,最終的に過失割合を25対75としつつ,相手方の修理費用については負担しない(片賠と言います。)という条件で示談することができました。
片賠の場合,通常であれば負担すべき相手の修理費用の一部の負担がなくなるため,上記の例でいうと,実質的には25対75よりも有利な条件となります。
人身
物損については以上のように解決できましたが,人身の場合,片賠で解決ということにはなりません(加害者に人身損害が発生していたとしても,被害者の負担分は元々自賠責保険で賄って終了となるケースが多いため)。
そうすると,人身事故の場合でも,25%分は自分の損害について自己負担が発生することになります。
このときに注意をしなければならないのは,通常,被害者の過失割合が小さい場合であれば,加害者側の保険会社が治療費を全額負担してくれることが多いのですが,この分についても,実際には自己負担分が生じているということです。
例えば,裁判基準で計算したときに100万円の慰謝料が見込める場合であったとします。
このときに,過失が25%であったとすると,慰謝料として100万円×75%=75万円が受け取れるのかというとそうではありません。
仮に,それまでに治療費として病院に100万円が支払われていたとすると,加害者は被害者の自己負担分の25万円分多く支払ったことになりますので,この分が最終的に清算の対象となるのです。 その結果,慰謝料は先ほど計算した75万円から25万円を差し引いた50万円しか受け取ることができず,元の計算の半分となってしまいます。
この点は,気付いていないまま治療を受けている方がほとんどなので,自分に過失があるようなケースでは,治療費の総額をセーブすることも考えなければなりません。
具体的には,健康保険を利用することや(労災適用の場合は使用不可),整骨院に毎日通院することは控えるなどすることが考えられます。
このように,過失がある場合,被害者が受け取れる金額に大きな影響が出てくるのですが,このような過失の影響を受けずに済むような保険が後で説明する人身傷害保険です。
今回の場合,人傷害保険金を先に回収し,残額を裁判で相手方に請求するという方針をとりました。
そして,裁判所に提出する訴状と証拠を完成させた上で,相手方の保険会社に訴状をあらかじめ送付したところ,こちらが予定していた金額での和解に応じてくれたため(慰謝料は裁判基準の満額),実際には訴えを提起する前に解決となりました。
金額の変化
過失割合
当初50対50から0対75へ
人身回収額
当初の相手方の提示額は約79万円だったのですが,人身傷害保険金約91万の支払いを受け(ここでも若干の交渉を行いました。),さらに追加で約55万円の支払いを受け,合計で約146万円の支払いを受けることができました。
交渉のポイント
過失の交渉
過失割合については,通常想定されているケースとの違いを強く主張するとともに,片賠などで柔軟に解決方法を探ることが重要です。
人身傷害保険の特徴を知っておく!
人身傷害保険とは,被害者(被保険者)が交通事故で怪我をしたときに実費相当額を自分の保険でカバーするためのもので,附帯率は平成28年3月時点で90%を超えるとも言われています。
主に,自分の過失が大きい場合や,相手が保険に加入していなかったような場合に効果を発揮します。
しかし,この保険は,自分の過失が小さい場合であっても,非常に使える保険なのです。
人身傷害保険は,保険会社が定めた基準にしたがって保険金が支払われるもので,裁判基準を満額補償するものではありません。
しかし,詳しい説明はかなり専門的なので割愛しますが,裁判をすることによって,ご加入の人身傷害保険の保険会社に自分の過失分について支払いをしてもらい,元々加害者が負担すべきであった分については加害者に負担させるということが可能になるのです。
この点は保険会社の担当者もよく知らないことが多いのですが,人身傷害保険は裁判と組み合わせることによって,このような絶大な効果を発揮しますので,弁護士であれば当然この点も考慮しつつ方針を決めていくことになります。
メッセージ
人身傷害保険を最大限に利用しようと思うと,自ずと裁判をすることを視野に入れていくことになりますが,その場合の請求の仕方は,単純に自分の損害を請求する場合よりもはるかに複雑です。
また,弁護士でも,人身傷害保険の仕組みをよく知らないということもあります。
そのため,基本的にご自身で行うことは困難ですし,人身傷害保険を使わない通常のケースと同じようにうっかり示談をしてしまうと,大きく損してしまうということもあり得ますので,人身傷害保険にご加入の場合で自分にも過失があるようなケースの場合,交通事故に強い弁護士にご依頼されることをおすすめします。

千葉で交通事故のご相談なら福留法律事務所へ
当事務所は、千葉県を中心に交通事故の被害者救済に特化し、10年近くで500件以上の解決実績がある法律事務所です。
交通事故の示談交渉で保険会社から提示される賠償金額は、本来受け取るべき適正額より低いことがほとんどです。
特に、後遺障害が残る事故や死亡事故では、弁護士が交渉することで賠償金が大幅に増額されるケースも少なくありません。
当事務所では、交通事故被害に遭われた方の正当な権利を守るため、豊富な経験を持つ弁護士が示談金の増額交渉や後遺障害等級の認定を強力にサポートいたします。
保険会社とのやり取りで生じる精神的なご負担も、私たちが代理人となることで軽減できます。
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さて,誠に勝手ながら下記の期間を休業とさせていただきます。
ご迷惑をおかけしますが、ご了承のほどお願い申し上げます。
休暇期間
平成29年12月29日(金)から平成30年1月3日(木)

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人身傷害保険金の増額に成功した事例
今回は,当事務所で取り扱った交通事故の案件の中でも少し特殊なケースで,人身傷害保険金の増額に成功した事例をご紹介します。
事案の経過
事案は,交差点内の交通事故で,被害者が交差点にさしかかったところ,無謀運転の車両が交差点に進入してきたため,それを避けようとして別の車両に衝突してしまったというものです。
主たる責任がある無謀運転の車両は現場から逃走してしまったため,責任の追及はできず,かといって,実際にぶつかった相手の車両にも過失があるようには考えられなかったため,自身が加入する保険会社の人身傷害保険を利用して通院や休業損害の支払いを受けていました。
その後,治療を継続したものの,小指に可動域制限が残り,後遺障害等級13級6号が認定され,後遺症の分も含めて人身傷害保険金の額が保険会社から示され,内容に問題がないのかご相談に来られました。
当事務所の活動
契約の確認
人身傷害保険は,被害者と保険会社との間の契約ですので,契約通りの支払いといえるのかがチェックのポイントです。
そこでまず,人身傷害保険の約款を確認しました。
約款と保険会社から提示された金額を比較すると,慰謝料については,保険会社が定める方法によって計算されていて,問題はありませんでした。
問題は後遺症による逸失利益です。
逸失利益とは,後遺症による将来の減収を予測して,その分の損害を計算したものです。
これを見ると,減収が生じる期間(労働能力喪失期間)がなぜか8年分とされていて,根拠も曖昧で交渉の余地がありそうであったため,交渉をすることとなりました。
人身傷害保険金でも交渉できる!
保険会社の担当者は,初めはそもそも人身傷害保険の金額について交渉の余地はないという感じでした。
たしかに,加害者側の保険会社に請求する場合と異なり,支払の基準が明記されているため,争いになることは多くはないでしょう。
しかし,人身傷害保険は,基本的に実際に生じた損害を補填する保険ですので,損害の大きさを不当に小さく見積もっていれば,当然交渉の対象となります。
そこで,まずはこの点について,人身傷害保険の基本的な性質を踏まえて説明するところから始めました。
逸失利益の交渉
次に,交渉の対象となることについては同意が得られたため,本題の逸失利益の額について交渉をしていきました。
労働能力喪失期間が8年とされた理由は,被害者が消防士で,その現役の期間だということでした。
しかし,被害者に確認してもそのような事実はないとのことでしたので,まずは実際の現役年齢がどのくらいなのかを説明し,この点についてはある程度説得することができました。
ただ,交渉に当たって,実際に減収が生じていないという問題があったため,この点についてきちんと説明しなければなりませんでした。
この点については,従前の給料の内訳,後遺障害の内容と現在の仕事への支障,将来の減収の可能性などについて,様々な資料を提供することによって,和解に至ることができました。
金額の変化
交渉の結果,労働能力喪失期間について,当初8年とされていたところを30年分としつつ,労働能力喪失率について若干の調整を行い,結果として,当初の提示額約368万円から約664万円へと約300万円の増額に成功しました。
交渉のポイント
加害者への請求との違い
人身傷害保険金の算定は,保険の契約の内容によって決まりますので,加害者に損害賠償の請求をするのとは違います。
そのため,契約上,保険会社がどこまで支払いをしなければならないのかという契約の解釈の問題となります。
この点についてきちんと区別ができていないと,まともに取り合ってもらうこともできないでしょう。
一般的に,弁護士が加害者側の保険会社と増額交渉をするものの代表的なものは慰謝料です。
慰謝料は,法律的に見ると,必ずしも基準があるわけではなく,事故に遭った人の状況によって金額に違いが出てくるところです。
そのため,支払をする保険会社としては,できるだけ低く見積もろうとしますし,被害者としては,反対にできるだけ高く見積もろうとしますので,このギャップを埋める交渉が必要となります。
ところが,人身傷害保険の場合,慰謝料の算出方法について約款上明確に決められていますので,基本的に慰謝料の額を争うことはできません。
しかし,慰謝料の金額が変わらないといっても,既に述べたように,交渉できるところがあるかもしれないのです。
減収がない場合の逸失利益
逸失利益は,後遺症による減収についての賠償ですので,本来であれば,全く減収がなければ請求は認められないということになりそうです。
しかし,実際は,本人の努力や職場の配慮でカバーしているに過ぎなかったり,将来的な昇給の遅れ等の可能性があったりするので,減収がないからといって門前払いされることはありません。
ただし,公務員のような一般の会社員などよりも身分保障が手厚い場合は,若干厳しく見られる可能性があり,本件はまさにそのようなケースでした。
このような場合は,損害が発生することをより説得的に伝える必要がありますので,過去の裁判例などに照らし,資料をきちんと揃えて,説明も丁寧に行うことが重要となります。
メッセージ
人身傷害保険金の請求は,保険の契約に基づく請求であり,加害者に対して求める損害賠償の請求とは違います。
しかし,専門的な契約の内容に関することですので,加害者に賠償の請求をするとき以上に,被害者は弱い立場に立たされるともいえます。
保険会社から,「保険の契約で決まっているから。」と言われたら,信じざるを得ないのではないでしょうか。
また,人身傷害保険は,加害者からスムーズに支払いを受けられない何らかの事情がある場合に使うことが多く,あくまでも補助的なものですので,被害者としても,元々期待値が高くないということもあると思います。
しかし,そういう場合でも,出された金額について疑問に感じれば一度検証をしてみるということは重要で,今回はご相談に来られたことで大幅な増額が可能となりました。
相手の保険会社であろうと自分の保険会社であろうと,言われるがままにしていると思わぬところで損をしているかもしれないことに違いはありません。
今回のケースは,典型的なケースとはいえませんが,人身傷害保険の支払額について疑問がある場合は,一度弁護士にご相談されてみてはいかがでしょうか。

千葉で交通事故のご相談なら福留法律事務所へ
当事務所は、千葉県を中心に交通事故の被害者救済に特化し、10年近くで500件以上の解決実績がある法律事務所です。
交通事故の示談交渉で保険会社から提示される賠償金額は、本来受け取るべき適正額より低いことがほとんどです。
特に、後遺障害が残る事故や死亡事故では、弁護士が交渉することで賠償金が大幅に増額されるケースも少なくありません。
当事務所では、交通事故被害に遭われた方の正当な権利を守るため、豊富な経験を持つ弁護士が示談金の増額交渉や後遺障害等級の認定を強力にサポートいたします。
保険会社とのやり取りで生じる精神的なご負担も、私たちが代理人となることで軽減できます。
「保険会社から提示された金額が妥当か知りたい」という方のために、賠償金額の無料診断サービスも行っております。
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交通事故に遭った後で,2回目の事故に遭ってしまったら?
ある日突然交通事故に遭うことは,その人にとって大きな問題となりますが,あまりよくあることではありません。
しかし,不幸にして,交通事故に遭った後,さらに2回目の交通事故に遭われる方もいらっしゃいます。
そして,多数の交通事故事件を取り扱っていると,そういった複数の交通事故が絡むケースに遭遇することが少なからずあります。
そこで,今回は,そのように2回以上の複数回交通事故に巻き込まれた場合,損害賠償がどうなるのか見てみたいと思います。
3つのケース
複数の事故に巻き込まれるパターンには,大きく分けて以下の3つが考えられます。
①1事故目に遭って,治療も終えた後で,再度交通事故に遭った場合
②1事故目に遭って,治療をしていたところ,治療が終了しない間に新たに交通事故に遭った場合
③交通事故に遭って自分の車がはじき出されたところ,別の車に追突されたような場合
今回は,この中の①のケースについて見ていきます。
共同不法行為とは
上記の各ケースは,それぞれ問題となることが異なりますが,共通しているのは,誰にどれだけの責任を負わせることができるのかという問題です。
これを解決するための法律上の規定としては,共同不法行為というものがあります。
共同不法行為が成立すると,各加害者が全損害について連帯して責任を負うことになりますので,被害者としては,どちらかの加害者に対して,自分に生じた損害の全額を請求すれば足りますので,被害者にとっては非常に便利な制度です。
しかし,賠償金額を算定することが難しいケースであっても,全てこの制度で処理できるとは限らないというところに問題があります。
既に治療が終了していた①のケース
共同不法行為は使えるのか
この場合,誰が怪我を負わせたのか分からないというようなケースではないので,基本的に共同不法行為は使えないといってよいでしょう。
治療期間中の損害
このケースの場合,1事故目の治療が終了するまでの治療費や休業損害を1事故目の加害者に請求して,2事故目の発生から2事故目の治療終了までの治療費や休業損害は2事故目の加害者に請求すれば良いので,ここまでは問題ありません。
問題となるのは,1つ目の事故で後遺障害が残って,2つ目の事故でも後遺障害が残ったという場合です。
後遺障害 自賠責の場合
自賠責保険では,加重障害といって,既に後遺障害が認定されていた場合に,同じ部位にさらに重い後遺障害が認定された場合,新たに認定された後遺障害の保険金の額から既に認定されて支払われた保険金分の額を差し引いた額が支払われることになります。
部位が異なれば,通常通り保険金の支払いが出ることになります。
後遺障害 裁判基準での請求の場合
(1) 逸失利益
自賠責保険の場合は,決められた基準に従って形式的に支払えば良いのでこれでいいのですが,我々が加害者に損害賠償の請求をするときは,実損害の請求になりますので,実際にどのくらいの損害が発生したのかを正確に算出する必要があります。
1つ目の事故の加害者に対しては,後遺障害の認定が出た段階で損害の計算ができ,それにしたがって請求すれば良いので特に問題はありません。
これに対し,2つ目の事故の後遺障害については,既に1つ目の事故で労働能力の低下などが見られるため,このことをどのように考慮し,請求が可能な金額がどうなるのか少し考えてみる必要があります。
この点については,次の3つのものが考えられています。
①2事故目の直前の収入を基礎収入として,2事故目自体の労働能力喪失率をかける
②2事故目の後遺障害の等級に基づいて逸失利益を計算し,そこから1事故目の後遺障害の等級に基づいた逸失利益を引く
③2事故目の後遺障害等級に基づいて逸失利益を計算し,そこから1事故目の後遺障害の存在を理由として相当な割合で減額する。
①の方法は,事故直前の収入が,既存障害を前提として得ていたものであるため,この時点で既存障害を考慮することができているので,実態も合っていて分かりやすい方法です。
しかし,2事故目自体の労働能力喪失率とはどうやって認定するのでしょうか?
現実的な計算方法として,A.2つの後遺障害の労働能力喪失率を引き算するという方法と,B.1事故目と2事故目の間の労働能力の差を1事故目の後で残った労働能力率で割るという方法,C.専門家の意見を聞いて独自に認定するという方法が考えられます。
②の方法は,2事故目の逸失利益の計算の際の基礎収入をどう設定すれば良いのかという問題があり,③の方法は,どのような割合で減額すればよいのか不明であるという問題があります。
(2) 慰謝料
慰謝料についても,通常とは異なる考え方が取られます。
別部位の場合は,それ自体,単独で後遺障害が残ったのとあまり変わらない程度の精神的苦痛が生じたといえるのではないかと思いますが,同一部位の加重障害の場合,そのように言えるのかが問題となります。
ここでも,次のような3つの考え方があります。
①2事故目自体の後遺障害の等級を想定し,それによって慰謝料の額を決める。
②2事故目の加重障害の等級に基づく慰謝料の額から1事故目の等級に基づく慰謝料の額を差し引く。
③加重障害の等級に基づく慰謝料の額から相当な割合で減額する。
まとめ
以上のように,加重障害が生じた場合の賠償金額の計算方法には様々なものがあり,裁判上も確定していません。
そのため,実際に受け取れる金額の見通しをつけることは非常に難しく,特に交渉でどのような金額を求めれば良いのか判断することは難しいところです。
このような複雑な事態が生じた方は,早急に弁護士にご依頼されることをおすすめします。
(参考文献 2006年版 赤い本 下巻 129頁~)

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特に、後遺障害が残る事故や死亡事故では、弁護士が交渉することで賠償金が大幅に増額されるケースも少なくありません。
当事務所では、交通事故被害に遭われた方の正当な権利を守るため、豊富な経験を持つ弁護士が示談金の増額交渉や後遺障害等級の認定を強力にサポートいたします。
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