後遺障害14級9号【むち打ち】で示談交渉を行った事例
事案の概要
事故は信号待ちで停車中に,後方から追突されたというものです。
相手方の保険会社を利用して治療を継続していましたが,完全には症状がなくならないまま治療費の支払いの打ち切りを宣告されたため,ご相談となりました。
当事務所の活動
後遺症の認定申請
まず,治療の打ち切りの問題については,治療の長さ,訴えている症状の内容,事故の状況などから,自賠責保険に対して,後遺症の認定を申請することをおすすめしました。
これは,法律的に見ても,症状が固定した時期(治療しても根本的な改善が見られない状態になった時期)になると,一般的にそれより後の治療費の支払いはされなくなり,その分について補償を受けるためには,後遺症の認定を受ける必要があるためです。
その結果,頚椎捻挫後の首の痛みについて,後遺障害等級14級9号が認定されました。
示談交渉
上記の結果を受けて,相手方保険会社と示談交渉を行い,結果として,慰謝料については示談交渉であることを考慮して,多少の譲歩をしたものの,後遺症の逸失利益は,労働能力喪失期間5年の裁判の相場にしたがって支払いを受けることができました。
ポイント
本件は,事故の程度としてはそれほど大きいものではなく,事故状況からすると,後遺症の認定が出ないことも十分に考えられました。
しかし,被害者の年齢が60歳を超えていて,頚椎に加齢による変性が見られ,訴える症状も強く,整形外科への通院も比較的多かったという事情があり,結果として後遺障害等級が認められました。
※むちうちの場合の後遺症認定のポイントはこちら→「むち打ち症と後遺障害等級の認定」
14級9号の場合,労働能力喪失期間を3年などと主張されることが多いのですが,この点については,最近の裁判の傾向を示し,根気強く交渉をすることが必要となります。
本件は,むち打ち症で後遺障害等級14級9号が認定された場合の典型的な事例であったと思いますが,だからこそ,しっかりと相応の支払いを受けられるようにしなければなりません。
弁護士に依頼すべき理由はこちら→「なぜ弁護士に交渉を依頼すべきか」