足の骨折で後遺障害等級14級9号が認定された事案

2018-11-08

事案の概要

 事故の状況は,センターラインオーバーの対向車と衝突し,車の右前部が大破,エアバッグが作動したというもので,被害者は,胸や脚などを打撲し,右足を骨折するなどの怪我を負いました。

 

当事務所の活動

治療中のサポート

 本件は,治療中の段階でのご依頼でしたので,保険会社とのやり取りを弁護士が行うことで,まずは治療で身体をできるだけ元の状態に専念していただきつつ,今後の流れなどについてご説明を行いました。

 特に,後遺症が残りそうなケースであったため,どういったタイミングで後遺症とみなすことになるかといったことをご説明し,様子を見ることになりました。

後遺障害の申請

 そして,後遺症をいえるような状態となったため,医師と相談していただくことになったのですが,医師から,「後遺障害診断書は書くけど,認められないと思う。」と言われたとのことでした。

 しかし,私が見る限り,十分後遺症の認定が受けられると考えられましたので,後遺障害診断書の作成をしてもらい,自賠責保険に対して被害者請求を行いました。

支払われました。

保険会社との交渉

 本件での交渉のポイントは2つありました。1つは,被害者が主婦であったため,主婦の休業損害をどう見るかということで,もう1つは,骨折後の痛みの後遺症について,むちうちなどと同じように考えていいのかということです。

 主婦の休業損害は,金額の計算に決まりがあるわけではなく,骨折後の痛みがどの程度続くのかということも確定した考え方があるわけではないため,この設定が非常に無づかしいのです。

 相手方からは,当初,追加で約220万円を支払うという提示がされました。

 初めから弁護士が付いていたからか,極端に低い金額ではありませんでしたが,今回の事故で負った怪我の内容などからすると,やはり低いと言わざるを得ませんでした。

 そのため,改めて見解に食い違いがある点について文書で説明を行い,根気強く交渉を行った結果,最終的に300万円を支払うということで合意することとなりました。

 

コメント

 本件のように,後遺症の話を医師にした際,申請をしても認められないといった話を医師からされることが,少なからず見受けられるようです。

 しかし,医師は,自賠責上の後遺障害というものに関し,十分な知識を有しているわけではないため,その判断に誤りがあることがしばしばあります。

 これは,医師が考える「後遺症」と,自賠責保険上の「後遺障害」の概念が一致していないからだと思われます。

 自賠責のいう後遺障害は,上は常に介護を要するような重篤なものから,下は日常生活にはほとんど支障がないというものまで含まれていて,特に,下の方の等級では,深刻なものとは言い難いため,医師はこれを後遺症とまでは思わないことがあるようです。

 しかし,日常生活にほとんど支障がないといっても,現実には,痛みが気になって仕方がないといった支障が生じることがあり,この点についても賠償を受けられるか検討をすべきです。

 そして,この賠償を受けるためには,医師に後遺障害の診断書を作成してもらうことが必要ですので,認定が受けられるか否かについての医師の判断はともかく,後遺障害の認定を受ける見込みがある場合には,まずは医師に後遺障害の診断書の作成を依頼しましょう。