当初約6万6000円の提示から約68万円に増額した事例

2018-04-13

 今回は,当事務所で取り扱った交通事故の案件の中で,通院機関4か月半と比較的短期の通院期間で,当初の賠償金の提示額が低かったケースについてご紹介します。

 

事案の概要

 事案は,青信号で交差点を直進していた原付バイクに対抗右折車両が衝突してきたという交通事故です。

 本件は,弁護士費用の特約の利用はなく,後遺障害の認定もないケースではありましたが,弁護士へ支払う費用を考慮しても十分にメリットがあると考えられたため,ご依頼となりました。

 

当事務所の活動

 本件は,依頼者様が特に早期の解決を望まれている事案だったので,依頼後,すぐに交渉を開始しました。

 

相手方保険会社との交渉

 

 本件は,怪我の内容の中に腰椎の横突起骨折が含まれていて,捻挫・打撲のみで他覚的所見がないようなケースと比較して慰謝料の額が高額になると考えられるケースでした。

 しかし,当初保険会社から提示されていた慰謝料の金額は,自賠責保険の基準(4,200円×実通院×2)という非常に低い金額となっていました(約22万円)

 そこで,この点について弁護士が示談交渉を行い,慰謝料の金額は約90万円となりました

 また,休業損害については,ご依頼前にパートの仕事を実際に休んだ分が支払われていたのですが,依頼者様はパートの他に家事労働に従事する兼業主婦の方でしたので,その点を踏まえた増額のための示談交渉を行いました。

 その結果,休業損害は元々約73万円とされていたのですが,主婦業を考慮して,約87万円を認めさせることができました

 そのため,合計額は,当初と比較して約73万円増額し,過失分が差し引かれたものの,最終の支払額は当初の提示額約6万6000円から約68万円に増額しました。

 また,本件は,ご依頼から賠償金の入金まで約4週間でしたので,ご依頼者様のご希望に沿うことができたのではないかと思います。

 

コメント

 多くの方からご相談をいただく中で,「こんな小さな事故で依頼をしてもいいんでしょうか?」とか「費用が気になる…」とおっしゃる方が多くいらっしゃいます。

 しかし,そういった方こそ,是非一度ご相談ください!

 交通事故の被害をご自身で正確に把握するということは想像以上に難しいことで,思った以上に損害が発生しているということは珍しくありません。

 そのため,ご自身では小さい事故だと思っていても,弁護士に依頼した結果,思いのほか大きい金額を受け取ることができたということが非常に多いのです。

 この方の場合も,弁護士費用の特約へのご加入はありませんでしたが,増額分が約60万円でしたので,弁護士費用(増額分の10%+15万円)を差し引いても十分なメリットがありました。

 法律相談は無料若しくは弁護士費用特約の利用でご自身のご負担はありませんので,まずはお気軽にご相談ください。もちろん,経済的なメリットがでないケースもあり得ますが,そういった場合,ご依頼前にその旨をはっきりとお伝えし,メリットが出ないのに無理に依頼をすすめるということはありませんのでご安心ください。

 

賠償金が〇倍にアップ?

 ところで,インターネット上で,当初の金額から〇〇倍に金額がUP!といったことが書かれているホームページをよく見かけます。

 同じような書き方をすれば,本件の場合も10倍以上にアップしたということになるのでしょう。

 しかし,個人的には,このような書き方では,見た人が誤った印象を受けてしまうのではないかなと思っています。

 今回のケースもそうですが,被害者にも過失があるような場合,それまでに相手方から満額支払われていた治療費や休業損害についても,最終の支払いの際に清算の対象となります。

 そのため,そういった場合,相手方の当初の提示額が非常に低いものになりがちで,場合によってはゼロとなります。

 このような場合に,元の金額をベースに〇倍という書き方をすると,ものすごくインパクトのある数字になってしまうのです。

 

 わかりやすい例を挙げますので,以下のような例があったと考えてください。

  過失割合 20対80

  治療費 100万円(支払い済み)

  休業損害 100万円(支払い済み)

  慰謝料 保険会社の提示額50万円(裁判基準100万円)

 この場合,慰謝料だけでみると,過失分を引かれても,50万円の80%で40万円を受け取れそうです。

 しかし,治療費と休業損害で,相手方は,これまでに本来支払わなくても良いはずの20%分まで全額支払っていて,この払いすぎた分は200万円の20%で40万円になります。

 そのため,この分が最終的には清算されますので,結果的に受け取れる慰謝料の額はゼロということになるのです。

 これを,弁護士が交渉して裁判基準での慰謝料の支払いを認めさせることができれば,100万円の80%で80万円から40万円を差し引いた40万円を受け取ることができます。

 この場合,先の書き方にならえば,0円から40万円にUP!ということになるのでしょう(金額が少し変われば,1万から40万円に40倍になった!などとなるでしょう。)。

 しかし,交渉する立場からしてみれば,過失割合が変更できないのであれば,過失ゼロのケースで50万円から100万円にするのも(これだと増額は当初の2倍),上で挙げた例で0円から40万円にするのも交渉の難しさは変わりませんし,被害者の方にとっても,〇倍になったことが重要なのではなく,最終的な支払額がいくらになったのかの方が重要なはずです。

 そのため,色々な弁護士のホームページをご覧になっている方も,〇〇倍になった!というインパクトよりも,その中身の部分で,弁護士がどのような活動を行っているのかというところに着目されると良いかと思います。

 

 当事務所では,なぜ相手の提示額が低くなっているのかなどについても,できるだけ分かりやすく説明するように心がけていますので,交通事故の賠償の件で少しでも気になることがある場合は,お気軽にお問い合わせください。

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