休業損害を請求したい方へ
交通事故に遭ってしまうと,ケガの症状や治療のために仕事に行くことができず,それまで得ていた収入を失い,休業損害が発生することがあります。
収入が減ってしまうことは,生活費の支払いに直結してしまいますので,きちんと補償してもらう必要があります。
ここでは,どのような請求が可能なのか簡単にご説明いたします。
請求の内容
加害者側に損害賠償として請求することができるのは,交通事故によって「実際に減少した収入分」です。
この金額を適切に漏れなく計算し,根拠と共に相手に請求しなければなりません。
請求の方法
給与所得者の場合は,「休業損害証明書」を提出することで保険会社が比較的速やかに支払いをしてくることが多いです。
この休業損害証明書は,保険会社に言えば所定の用紙が送られてきますので,被害者から勤務先に作成を依頼します。
給与所得者の場合,勤務先から税金について源泉徴収されたものが支払われているほか,各種手当やボーナスもあるため,どの範囲で請求できるのか事前に確認が必要です。計算方法の違いから,補償が十分なものとなっていないことがありますので,金額をしっかりと検証する必要があります。
また,自営業者や社長など役員の方の場合には,損害賠償上,複雑な問題がありますので,保険会社から円滑に支払いがなされるということは少ないですので,交渉がほとんど必須となります。
自営の場合,休業の実態を説明する書面を用意したうえで,確定申告書類を添付しなければなりません。
また,役員報酬については,実際に報酬が減額されているか,業務内容はどういったもので,事故によってどのような支障が生じたかといった点は少なくとも説明できるようにしておきましょう。
仮に,争いがあるために支払いが滞ってしまうという場合には,慰謝料の先行払いという形での生活の確保を行うことも検討していきます。
さらに,一見すると経済的な損失が見受けられない主婦の方であっても,家事ができなかったことについての補償が受けられるというのが現在の実務ですので,この点も漏れがないようにしましょう。
家事の場合,必ずしも支障が生じるとは限らず,程度も人それぞれですので,事故前と比べて家事の内容がどのように変化したのか,具体的に説明できるようにしておきましょう。
主婦の休業損害については,治療が終了してから請求することが多いです。
お仕事の内容ごとの詳しいポイントはこちらをご覧ください。