交通事故に強い弁護士の選び方
目次
はじめに
交通事故事件は,賠償金額の算定にあたって様々な法律的な問題が生じることがありますし,保険の仕組みや事故状況やケガの分析等が問題となることがあり,かなり専門的な分野です。
そのため,どんな弁護士でも簡単に処理ができるというものではありません。
それでは,交通事故に遭ったとき,どのような弁護士に依頼したらよいのでしょうか。
ほとんどの方にとっては,法律事務所を普段利用することがあまりないかと思いますので,これから弁護士に依頼しようという方にとっては一番悩むところだと思います。
ここでは、交通事故に関して弁護士に相談される際の弁護士選びのポイントについて説明いたします。
ポイント
交通事故に強い弁護士を選ぶ際のポイントとしては以下の点が重要です。
1 弁護士の交通事故事案の解決実績
2 弁護士がどれだけ対応してくれるか
3 どこに力を入れているか
4 安易な妥協をしないか
1 弁護士の実績
これまでの自身の経験からすると、同種の事案(交通事故であれば、交通事故の事案)をどれだけ取り扱ってきたかは、弁護士の能力を測る上で最も重要なポイントになると感じています。
なぜそのように考えるかというと、私自身が、10年前よりも5年前、5年前よりも今の方がより良い仕事ができているという実感があるからです。
私は、交通事故の案件を多く取り扱ってきましたので、一般的な弁護士と比較して遥かに多くの交通事故の専門書籍や裁判例などを読み込んできたという自負がありますが、それでも例えば2年目や3年目の時点で交通事故の業務を極めていたなどとは到底思えないのです。
もちろん、弁護士になりたての頃も精一杯仕事に向き合ってはきましたが、やはり依頼いただいた方への説明の仕方や手続の進め方、スピード感など、今振り返ると上手くできていなかったと思える部分があります。
交通事故は弁護士の業務の基本だから誰でもできると思っている弁護士もいるようですが、間違いないくその弁護士は理解度が不足しています。
また、言うまでもありませんが、いい加減な事件処理をしていては、いくら数をこなしたところでそれに相応しい能力を身につけることはできません。
そして、取り扱い件数で注意したいのは、「実際にその弁護士がどれだけ関与しているか」です。
事務所単位での実績の記載からは、実際に担当する弁護士の実績がどの程度かは分かりませんので、この点は、特にインターネットで弁護士を探されている方は、複数の弁護士の実績の合計なのか、その場合、一人当たりだとどれくらいになるのかを注意して見ていただきたいところです。
実績を重視して弁護士を選ばれる場合は、実際にその弁護士がどのように関わってきたか、依頼後のやり取りはどうなるのかといった点をご相談時に確認していただくとよいです。
では,この違いがどのようなところに出てくるかというと,私自身は,①依頼を受けた段階での見通しの正確さ,②事件処理のスムーズさに現れてくると考えます。また、複雑な事案では、特殊な法律の理論を用いる場面がでてきたり、原理原則をきちんと理解できていないと、個別の事案に即した対応ができないということもあります。
見通しの正確さ
1つ目の依頼時に把握する見通しについてですが,経験が浅い段階だと,「できる」ことには目がいくのですが,「できない」ことについては,なかなか分からないものです。
「できる」ことの把握は,それほど難しくありません。依頼者の方の話をよく聞けば,「こういうところで困っている」ということが分かるはずなので,それを元にリサーチをすれば,請求自体が可能かどうかはある程度分かります(本人の気付いていない損害があるような場合には注意が必要です)。
これに対して,「できない」ことについては、経験が浅いと事案が進んでいく中で初めて気付くことが多く、依頼者本人もどこまで事情を説明しなければならないのか分からないため,話を聞いただけですぐに分かるわけではありません。様々な事件を対応してみて,専門書を読み込むことで,分かってくるものです。
そのため,ある程度そういった経験を積んでくると,法律相談のときも「できない」理由がないかを頭においているため,「他にこういった事情はありませんか?」といった問題となりそうな事情についても先回りして聞くことができるようになってきます。
比較的簡単な例を挙げると、慰謝料の計算で最も重要なのは、事故の発生から治療を終えるまでの期間の長さです。そのため、基本的には、「事故日」と「最終通院日」が分かれば、慰謝料の計算は可能です。
しかし、この2点だけを聞いて安心してはいけません。中には、通院の間隔が1か月以上空いていたり、極端に通院の頻度が少ないような場合や(どれくらいが妥当かはケースによります)、整形外科の治療は早々に切り上げ、整骨院ばかり通っていたというようなケース、実際には非常に軽微な事故であるにもかかわらず、自賠責保険に収まる範囲で通院をしていたために保険会社が特に打ち切りを言ってきていなかったに過ぎないといったケースがあります。
このようなケースでは、単純に通院期間の長さだけから慰謝料の額を計算するのが妥当とは思われれないことがありますので、見通しはやや控えめにならざるを得ません。
その結果,依頼を受ける時点で,「こういう請求をすることができますが,実務上,この事情はマイナスに評価されることがありますので,獲得できる金額としては,この程度の幅を見ておいた方がいいと思います」といったご案内をすることができるようになります。
これに対して,経験が浅いと,「こういう請求ができます。」というところ(請求金額でいうとMAXの提案)までしか言うことができません。一見すると頼もしいのですが,対応を進めていく中で,当初は想定しなかったようなことが相手から指摘されて分かり,結果として妥協せざるを得ないということが出てきます。
簡単な事案の場合、結果だけを見ると,弁護士によってそれほど変わらないということも多いと思いますが,経験があるかどうかで,当初の見通しどおりであったかどうかというところに差が出てきます(もちろん,経験を積んでも見通しの多少のずれは生じます)。
弁護士からできると言われて当初期待していたものと、実際の結果がかけ離れたものだったときに,「まあ,しょうがないか」と簡単に受け入れることができるでしょうか?
弁護士の経験は,最終的な結果への納得感に影響してくるのです。
事件処理のスムーズさ
2つ目の、事件処理のスムーズさというのは、定型的な事務処理を行うような場面で違いが出てきます。
交通事故を事件を扱っていると、多くの事案に共通するような事務処理が生じます。
そのときに,経験が浅いと,その都度やり方を覚えたり,一から書類を作ったりしなければなりませんが,経験を積んでくると,どこにどういった問い合わせをしなければならないのか,どういう書式を使えばいいのかというノウハウが蓄積されてきますので,手続きがスムーズに進められるようになります。
結果として,解決までの時間も早くなることが期待できます。
依頼者の方への説明も分かりやすいものとなるでしょう。
私が他の弁護士を見て思うこと
私は、交通事故の事案でも、被害者側からの損害賠償請求を専門的に取り扱っていますので、裁判を行った場合に相手方となる弁護士は、ほとんどが保険会社の顧問をしている弁護士となります。
このような保険会社の顧問の弁護士は、交通事故にある程度精通している者が多く、裁判でどこを争うべきかというポイントが分かっているため、こちらからすると嫌だなと思うこともある一方で、何から何まで争ってくるということは少ないため、裁判が無駄に紛糾することはあまりありません。
これに対し、稀にですが、相手が任意保険に入っていないとか保険は使わないといったケースで、加害者本人が自分で弁護士を探して依頼するというケースがあります。
こういったケースの場合、全てがそうというわけではないのですが、弁護士が交通事故の基本を分かっていないということがあり、そのような場合に無駄な審理が必要となってしまうことがあります。
保険会社の顧問弁護士の場合は、多少無理なことを言ってきたとしても、「この弁護士は分かっていて敢えて(ダメ元で)言っているな」というのが何となくわかるのですが、あまり交通事故を取り扱っていないような弁護士だと、およそ実務では通用しないような理屈を出してきて、しかもそれに固執するというようなことが見られます。
あまりにも酷い場合は、裁判所も含めてまともに取り合うことはないので、極端に裁判が遅延するということはないのですが、弁護士から指摘が出された以上は目を通すことにはなりますし、多少の対応は必要となります。その結果、無駄な裁判の期日が必要になったりします。
このような場合、相手方の立場に立ってみても、他に争うべきポイントがあるのに、そこには気付いていないということもあり、時間と手間はかけている割に相手方本人の利益にもなっていなかったりします。
そういったことを見ると、交通事故業務に適切に対応するためには専門的な知識が必要であるということを改めて感じるのです。
これは交通事故業務に限らないのですが、弁護士の能力として重要なものとして、取捨選択の能力というものがあります。勝負すべきところをどこに設定するのかは、弁護士のセンスがものをいう場面であると思います。
2 弁護士がどこまで直接対応しているか
弁護士に依頼しているのだから、保険会社や依頼者との対応は弁護士が全て行うのは当然と思われるかもしれません。
しかし、法律事務所の中には、弁護士に依頼したものの、手続自体は弁護士資格のない事務職員がほとんど行っており、電話をかけても事務職員としか話せないということもあるようです。
弁護士の補助的な業務にとどまらず、本来弁護士が行うべき業務まで事務職員が行うことは「弁護士職務基本規程」という弁護士のルールに違反することになりますので問題があります。
また、ルールの問題を抜きにしても、弁護士と事務職員では資格上の違い以上に、事案を検討するのに必要な基本的な法律的な知識や見方・経験に大きな違いがありますので、思わぬ見落としやミスが生じることがあります。
これらは、事後的に弁護士がチェックするというような程度でカバーするのは難しいので、可能な限り弁護士が対応するのが望ましいです。
当事務所では、依頼者や保険会社との簡単なやり取りも含めて、全て弁護士が対応しています。
3 どこに力を入れているか
交通事故に強い弁護士と一言で言っても、業務の中のどこに力をいれているかは弁護士によって違います。
例えば、後遺障害申請に力を入れているという事務所もあれば、医学的な知識が豊富であることを売りにしている事務所もあります。
個々の事案でどのような力が求められているのかはケースバイケースなので、何が重要なのかを一概にいうことはできません。
ただ、確実にいえるのは、我々は「弁護士」ですので、法律的な部分で、何がどういった理由で請求できるのか(あるいは請求できないのか)をきちんと理解できているか、安易な妥協をしないかどうかという点については、どのような事案でも重要なことです。
法律的な理解が不十分だと、何となく事案に対応してイレギュラーなものに対応できなかったり、依頼者や交渉の相手方に適切な説明ができないといった問題が生じます。
4 安易な妥協をしないか
また、安易に妥協しないかどうかというのは、最終的な受取金額に強く影響するところですので非常に重要な点です。ただ、この点は、安易な妥協なのか、適切な見通しにもとづいた必要な妥協なのかの判断を一般の方がするのは難しいところではあります。
5 その他
業務の忙しさ
これは、私の個人的な意見ですが、弁護士になって10年以上経過するなかで一貫して感じていることとして、「忙し過ぎる弁護士は良くない」というものがあります。
いい弁護士のポイントとして経験が豊富であることを挙げていますので、矛盾するようにも見えるかもしれませんが、私はかなり大事なポイントではないかと思っています。
弁護士の仕事は、一つの事件に対応しているときでも、突発的に膨大な作業が生じることもあれば、あまりやることがないようなときもあります。
そして、いつ突発的なことが生じるかを予想することはできないのです。
それにもかかわらず、常に時間に追われているような仕事の仕方をしていると、突発的な事情が生じた場合に(複数同時に生じることもあります)、それに対応できなかったり、他の事案に遅れが出たりすることになります。あるいは、それをカバーするために仕事の手を抜くということも考えられます(本人に自覚はないかもしれませんが)。
そうならないためには、普段からある程度時間に余裕を持たせておく必要があります。空いた時間はさらに知識を深めるための勉強にあてるなどすればよいのです。
弁護士の中には、ある程度手持ちの仕事が多くなってくると、それを理由に新規の仕事を明確に断る人もいるようですが、正しい対応だと思います。適切に対応できないようであれば、依頼は受けるべきではありません。
そういう意味では、対応してきた事案の数が、経験年数に比較して多過ぎるのも考えものだと思うのです。
「交通事故専門」を名乗ることの問題
弁護士がホームページも含めた広告を作成する場合、日弁連が定める広告規定にしたがって記載内容を定める必要があります。
その中で、「『専門家』『専門分野』といった専門性を強調するような表示は控えるのが望ましい」というルールがあります。
そのため、弊所でも、「交通事故専門」と堂々と謳うことはしていませんでした。
しかし、日弁連でも、一般の方が「専門分野」が何なのかの情報提供を強く望んでいるという現状については理解しつつ、専門性を客観的に担保されていないために「実際には経験・能力がない者が専門家を自称する恐れがあるため、使用を控えるべき」としているのであって、「専門分野」の表示の必要性については認めています。
つまり、客観的に専門性を認定するような制度が弁護士にはないため、現状では控えるべきとしているのです。そのため、専門性を表示することを禁止するのではなく、「控えるのが望ましい」という弱い表現になっています(これに対し「得意」と自称するのは良いとされています)。
このような経緯から、私も弁護士の専門分野の認定制度のようなものが近いうちにできるのかと期待していたのですが、一向にそうした動きが進む気配がありません。一般の方が強いニーズがあることは認識されつつ、この問題が放置されている状態が続いているのです。
そのため、個人的には広告規定にしたがって「専門性」の表記をどこまで控えればよいのか疑問に感じてきています。
また、上記のような弊害がありうるのは事実でしょうが、弁護士の間では、各弁護士に数はともかく専門分野(取り扱い可能分野)があることは周知の事実であり、例えば交通事故の割合が明らかに他の弁護士よりも多いのであれば、「交通事故専門」を名乗っても良いと思います。
したがいまして、現状では、弊所でも露骨に交通事故専門をうたってはいませんが、将来的にはそのような表記に改めるかもしれません(弁護士でも誤解している者が多いですが、上記のとおり、専門性の表記が禁止されているわけではありません)。
インターネットの口コミ
最近は、弁護士を選ぶときにインターネットを利用される方も多く、その際に書き込まれている口コミを参考にされる方も多くいらっしゃると思います。
私自身、飲食店などを探すときに口コミを参考にすることがあります。
しかし、当事者になると分かるのですが、口コミを過度に信用するのは危険です。
当事務所のGoogleの口コミは、2024年6月現在で2件、平均で5.0となっています(弊所から削除依頼をしたことはないのですが、レビューの中には削除されたものもあります)。これに対し、実際に依頼を受けてきた件数は300件を超えており、相談のみで終わった数も含めると600件を超えています。それでも、レビューの件数は2件です。
このことから、実際にレビューする人は、割合的にごく一部であることが分かります。つまり、全体的な意見を反映したものとは言い難いです。
その上で、レビュー自体、ある程度操作することが可能だということも考慮しておかなければならないでしょう。
皆さんもスマホでアプリを利用されていれば経験があるのではないかと思うのですが、アプリの運営からレビューをしてほしいというメッセージが来るのは、何度か利用していたり、課金をしたタイミングだったりします。これらの人は、そのアプリを使っていてある程度満足しているから継続して使用したり課金をするわけです。つまり、高評価のレビューが期待できる人達です。ほとんどの人がレビューを行わない中で、こうした人達に限定してレビューのオファーをしていれば、実態よりも高い評価となり得るのです。
これが法律事務所の場合でも、実際に事件が完了した段階で、事務所に対して明らかにいい印象をもってくれている人にだけクチコミを書いてくれるようにオファーをするということが実際にあります。このようなクチコミが信頼できるでしょうか?
一方で、他の事務所で低評価のレビューを見ると、実際に依頼したわけではなく、相談だけで終わったのではないかと思われるものが目立ちます。
また、「これで低い評価をつけられるのはかわいそうだな」と感じるものもあります。
法律事務所にご相談に来られる案件の中には、見通しが厳しいと言わざるを得ないものがあり、そうしたケースについて、中途半端な回答をしてしまうと、かえってご本人にとってマイナスになりかねないため、弁護士としてはある程度はっきりとできないことを告げる必要があります(依頼前の見通しは、敢えて少し厳しめに伝える弁護士も多いと思います)。
その場合、お問合せいただいた方の心情にもある程度配慮が必要なことは言うまでもないのですが、言い分が認めてもらえなかったことにはなるので、少なくとも気分良く相談を終えるということは難しいでしょう。その結果、そうした方からの評価は低くなってもおかしくはありません。
しかし、それが実際に依頼した場合の弁護士の仕事ぶりを評価するものかというと、そうはいえないと思います。
他の法律事務所がどうしているのかは分かりませんが、口コミというものが元々このような性質があるため、あまり信用することはできないでしょう。
さらに、法律事務所の性質上、法律や裁判上のルールの定め方や証拠の不足などで、どうしても相談者の希望に沿えないケースというものは存在します。そうした場合、依頼自体お断りせざるを得ないこともあるのですが、このような場合に高評価のレビューを受けることは難しいでしょう。また、依頼者にとっていい結果であるということは相手方にとっては悪い結果である可能性もあるわけで、そうした相手方が悪いレビューをすることもありえるのです。
このような法律事務所の特性からすれば、一定数の低評価のレビューがあったとしても、何ら不思議ではないのですし、実力に問題があるとも限らないのです。
また、弊所のレビューは多くないので参考になりませんが、その他の事務所のレビューを見ていただくと、内容は事務職員の対応の良さ(悪さ)だったり、弁護士の態度といった、本来の業務とは関わらないようなものであったり、具体的に何がいいのか悪いのか分からないようなものが多いと思います。
これは、医療機関や飲食店などでも同様で、本来であれば、病気を適切に診てくれるかのか、料理が美味しいのかといったことが一番重要であるはずなのに、それ以外の付随的なものに関することが多いです。
いずれにせよ、クチコミというのはそういった性質があるので、過度に信用することはできません。ただ、例えば、話し方が横柄だとか全く電話がつながらないといった書き込みが複数あるような場合は、気を付けた方がいいかもしれません。
「大手の事務所」?
交通事故のご相談を多くお受けしている中で、「大手の事務所に相談してみたけど、納得できなくて…」とおっしゃる方がいらっしゃることがあります。
ここで疑問に思うのは、「大手の事務所」とはどういった事務所のことを指しているのか?ということです。弁護士の認識では、交通事故の分野で、「大手の事務所」といえるような事務所はないと思うからです。
ごく一部、交通事故を専門的に扱っていて、ノウハウも豊富な事務所も存在しますが、「大手の事務所」と皆さんがイメージされている事務所とはおそらく異なります。
弁護士の間でも、「大手の事務所」といった認識を持たれている事務所は存在しますが、それは、上場企業などを中心とした企業向けのサービスを中心に取り扱っていて、大規模な人員を動員しているような事務所のことで、そういった事務所は、通常交通事故の事案などは取り扱いません。
そもそも、交通事故の事案は、知識や経験は必要ですが、マンパワーが強く必要とされるような分野ではありませんし、複数人で対応するメリットがどこにあるのかも私には分かりません。
したがって、交通事故の分野には、「大手の事務所」というものは存在しないと考えていただいた方が良いです。
おそらく、相談に来られた方は、「全国に支店を展開している」、「事務所に所属している弁護士の数が多い」といったことから、そういう事務所のことを「大手の事務所」と考えられたのだと思いますが、このような要素と実際に担当する弁護士が交通事故に強いかどうかは無関係であり、実際には経験の浅い弁護士も少なくありません。
もちろん、全国に支店を出しているような事務所の中にも交通事故に強い弁護士もいるのではないかと思いますが、少なくとも「大手の事務所だから交通事故に強い」ということは言えないのです。
相談時のポイント
このように,交通事故に強い弁護士を事前に見分けるのは簡単なことではありません。
これを見極めるためには,まずは一度ご相談いただき,色々と話を聞いてみるのが一番です。
相談に来られる方は,何か分からないことや困ったことがおありだと思いますが,ご相談の際は,そういった質問に対して弁護士が,
- 適切に回答をすることができるのか,
- 分かりやすい言葉で説明してくれるのか,
- 具体的な方策を示してくれるのか
- 裁判を含めて,どれくらいの費用で弁護士がどこまで対応してくれるのか
といった点に着目してください。
最終的には,印象の問題にもなりますが,当事務所では,上記のような点を心がけて日々業務を行っておりますので,一度お気軽にご相談ください。