相手方からの請求に対し,逆に約204万円の支払いを受けた事案

2019-01-07

事案の概要

 事故の状況は,被害者が運転するバイクが,道路の左前方にあるコンビニエンスストアの駐車場に左折で入ろうとする車を追い抜いて道路を直進しようとしたところ,コンビニエンスストアから右折で道路に出ようとしたバイクが左前方の車の陰から出てきたため衝突したというものでした。

 そして,加害者から弁護士を通じてバイクの修理費用について時効の関係で損害賠償の請求をされたため,ご依頼となりました。

 

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 本件は,被害者が骨折の傷害を負っていて,後遺症について後遺障害等級14級9号の認定を受けており,この点に関する慰謝料等が認められる事案であったため,相手方に対して賠償する分を差し引いても,逆に支払いを受けられるような事案でした。

 そのため,まずは人身に関する賠償金額を算出し,加害者側に請求することにしました。

 本件のような,コンビニ駐車場から出てきた車両と道路を直進している車両の間の過失割合は,駐車場から出る側が80%,直進している側が20%とされることが一般的です。

 しかし,本件は,直進車の前方に停車車両があったため,この点を踏まえて20%の修正を行い,加害者側は60対40を主張していました。

 本件は,加害者の過失割合に関する意向が強く,加害者側の請求に関する部分については,40%以外で和解できないような状況でした。

 他方で,この加害者側の請求は,バイクの修理費用のみで金額も比較的小さいのに対し,被害者からの請求に関しては,金額が大きいものの,支払いは相手の保険会社が行うため,それほど強くこだわっていないという事情がありました。

 また,こちらの対物保険を使った場合の保険料の増額が小さく,過失割合を修正したとしても,結局保険を使った方が経済的であったため,実質的には違いがないという特色もありました。

 そこで,早期解決のため,加害者に対する支払いについては,対物保険を使って40対60としつつ,被害者からの請求については,30対70とすることで合意することとなりました。

 その結果,約204万円の支払いを受けることで示談となりました。

 

コメント

 本件のように,前方に障害物があった場合,どちらにとって不利な事情になるのかは悩ましい問題ですが,車両の間をバイクがすり抜けようとした場合や,歩行者が車の陰から出てきて道路を横断しようとした場合,バイクや歩行者にとって不利になることから,直進車にとって不利になることも十分に考えられると思います。

 とはいっても,20%の割合での修正はやはり大きいと思われますが,物損は対物保険を利用した方が経済的なメリットがあったため,対物の過失割合にこだわって紛争を長期化させるよりも,人身でしっかりと賠償を受けて早期の解決を図ったのが本件の特徴です。

 なお,過失が大きい側の人身に関する補償は,自賠責保険の範囲内にとどまることが多いため,賠償の請求をされることはあまりありません。

 本件でも,加害者から人身に関する賠償の請求はされていませんでした。

 交通事故の解決の方法には様々なバリエーションがあるため,保険の加入状況等を見てみなければ,どのように解決を図るべきか判断しかねるような場合もありますので,自分の場合にどのような可能性があるのか,しっかりと検討することが必要です。