後遺障害分の請求が満額認められた事例

2018-07-13

事案の概要

 事案は,道路で停車中に後続車から追突されたというもので,過失割合に争いはありませんでしたが,経済的全損の損害額に争いがあったことから,事故直後からのご依頼となりました。

 また,事故で負った怪我が治療をしても完全には治らなかったため,後遺障害の申請をしたところ,腰椎捻挫後の臀部の痛み等について後遺障害等級14級9号が認定されました。

 

交渉経過

物損

 経済的全損とは,損傷した車を修理するよりも同種の車両に買い替えた方が安く済む場合のことで,この場合,賠償の対象となるのは,買い替えに要する費用に限られます。

 このときに争いになるのが,買い替えをする車の時価額や乗り出しのための諸費用です。

 今回は,時価額を新車価格の10%とされていて,諸費用については特に計上されていませんでした。

 そこで,時価額・諸費用についてそれぞれ調査を行って交渉を行った結果,当初の金額約12万円から約37万円への増額に成功しました。

人身

 本件は後遺症が残っていたため,後遺障害等級の認定を受ける必要があったのですが,後遺障害診断書上,目立った異常所見やそれに一致する神経症状は見受けられず,これのみで認定を受けられるかは微妙なケースでした。

 ただ,本件は事故による衝撃が大きく,日常生活にも支障が生じていたため,そうしたことを車両の損害レポート等の資料と共に意見書の形にして自賠責保険会社に提出し,結果として後遺症が等級14級9号の認定を受けることができました。

 さらに,保険会社との交渉では,慰謝料や逸失利益の金額について争いになることが多いのですが,本件では弁護士が交渉を行った結果,後遺障害分については慰謝料・逸失利益ともに請求金額の満額が認められて示談することができました。

 

ポイント

物損

 経済的全損となった場合,オートガイド社が発行しているレッドブックという本に掲載されている価格が時価額の基準とされることが多いのですが,この金額は実際の中古車市場との間で乖離が見られることも多く,一定年数を経過した古い車両は掲載もされないという問題があります。

 そこで,車両の時価額については,被害者がインターネット等で中古車市場の状況を確認する必要があります。

 特に,レッドブックに掲載されないような車両は,保険会社から新車価格の10%といった提案がされることも多く(本件もそうでした。),一層チェックの必要が出てきます。

 また,買い替えに要する諸費用については,当然こちらから請求しなければ相手方は認定してくれませんので,これも調査をする必要があります。

 この買い替え諸費用は,どの費目でも認められるわけではなく,裁判でも判断が分かれるものもありますので,算出が難しい部分でもあります。

人身

 後遺障害に関する損害は,裁判上,傷害部分(治療中の分)以上に賠償金の定額化が進んでいるところですので,安易に妥協することはできません。

 ただ,逸失利益については,被害者の仕事の復帰状況などによっては実際の損害額に違いが出ることもありますので,その辺りのリスクも踏まえて最終的な示談金額を協議していくことになります。

 

まとめ

 物損・人身いずれも,現在の裁判実務でどのような判断がされているのかについて知識がなければ,妥当な金額を導き出すことは難しいところがあります。

 示談にあたって,どの程度の金額が妥当なのか,お気軽に弁護士にご相談ください。