人身傷害保険金の増額交渉

 当事務所では,人身傷害保険で後遺障害等級の認定を受けた方であれば,被害者か加害者かを問わず,人身傷害保険金の請求について保険会社との交渉のご依頼を承っております。

 ここでは,どのような交渉が可能かについて解説します。

※人身傷害保険の解説はこちら→「人身傷害保険の特徴」

人身傷害保険会社からのご案内

 人身傷害保険を利用する場合,最終の支払いの前に協定書が届くことが一般的です。

 この協定書の内容を確認して,問題がなければ,署名・押印をして保険会社に送り返し,最終の人身傷害保険金の支払いを受けることになります。

 この人身傷害保険金について,保険会社から送られてくる計算の案内を見ると,加害者の対人賠償保険の保険会社から送られてくるものとよく似ていることが分かります。

 そのため,対人賠償と同じように,弁護士基準と保険会社基準の差額を請求できるように思えます。

 実際には,対人賠償と人身傷害保険では大きな違いがあるのですが,まずはこの協定書にサインをする前に,金額が正しいかチェックする必要があります。

対人賠償との違い

 対人賠償と人身傷害保険の大きな違いは,対人賠償は加害者が法律的に負う責任について,加害者に代わって支払いをするというものであるのに対し,人身傷害保険は,保険の契約にしたがって,保険金を支払うものであるというところにあります。

 つまり,対人賠償の額は,あくまでも法律(裁判所)が決めるもので,保険会社が決めるものではなく,裁判所の判断は必ずしも一貫しているわけではないので,交渉の余地が大きいのですが,人身傷害保険の場合,保険契約者との間で争いになることを避けるために,支払いの基準を予め約款で定めており,約款通りに支払いをすれば,増額の問題は生じないということになります。

 具体的には,慰謝料の額について,よく自賠責基準,任意保険基準,裁判基準などと言われることがあるのですが,人身傷害保険の場合,慰謝料の計算方法が明記されているため,争う余地はありません(計算間違いがあれば別ですが)。

交渉できるポイント

 これに対して,争う余地があるのは,後遺障害の逸失利益の部分です。

 後遺障害逸失利益は,「基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間-中間利息」の計算を行うことは,対人賠償と変わりはありません。

 そして,基礎収入については,人身傷害保険独特の算定方法はありますが,労働能力喪失率と労働能力喪失期間については,「将来の収入の蓋然性等を勘案する」「判例動向等による」などとされていて,対人賠償同様,裁判でどのように判断されているかが重要なポイントとなります。

 言い換えれば,裁判の相場にしたがっていなければ,この点を争うことができるわけです。

 対人賠償の場合でも,後遺症の逸失利益の部分は,特に金額が大きいところですので,この点が適切に評価されていないとすれば,人身傷害保険の場合でも,大きな損失となります。

 人身傷害保険金の支払いを受ける場合で,後遺障害等級が認定された場合には,一度当事務所にご相談ください。その金額が本当に妥当なのか,無料で診断させていただきます。

 逆に,後遺障害等級が認定されていない場合には,一般論としては,増額できる可能性は高くないと考えられます。

※その他にも,休業損害なども場合によっては争う余地がありますが,当事務所の受付としては,現在のところ,後遺障害等級が認定された場合に限らせていただきます。

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